2012年06月
2012年06月25日
<1日目> 雨の天城をずいっと縦走
万二郎岳(1320m)・万三郎岳(1405m) 2012年 6月16日 雨
天城高原ゴルフ場9:00-10:00万二郎岳10:05-馬の背(10:23)-石楠立(はなだて10:45)-11:10万三郎岳11:30-片瀬峠(11:53)-小岳(12:00)-白田峠(13:00)-13:45八丁池13:50-14:50寒天園地
この日、東京を出る時にはまだ曇り空だったのだが、新幹線が熱海に着くと激しい雨に変わっていた。
(確かに昨日の予想天気図では、ちょうど伊豆半島の真ん中を梅雨前線が横断していた。)
一瞬、山はやめてただの観光旅行にしてしまおうか・・・との思いもよぎったのだが・・・
5月中は体調が思わしくなく計画はしたもののどこにも行けなかったし、この日を逃すとまた1ヶ月以上は山に行ける日がない。
どうせ行く先はほとんどが樹林帯歩き。それほどひどくはないだろうと伊東発7:55のバスに乗り込んだ。
乗客は我々のほか、若い二人連れ(こちらは山支度)とスーツ姿の男性一人だけ。
早々に車中で雨具を装着し、雨中行軍?に向けて身も心も準備する。
バスは1時間弱で天城高原ゴルフ場へ到着。もうここは標高1000m以上。
なので山頂までの標高差は400mもない。遅くなったが今年の初登りにはいいだろう。
立派なトイレで用を足してから(なんせ、この先八丁池までありませんからね)
もう一組のカップルに
「天気予報通りになっちゃったね・・・」
と、挨拶?して出発。
道路脇の登山口からは、いったん下っていく。
下りきった地点が分岐点の「四辻」。
万二郎岳へは左の道をとりゆるい傾斜を登る。右は「シャクナゲコース」といって稜線の下を巻きながら万三郎岳へ直接登っていく道だ。
雨の中でもよく整備されている道は歩きやすい。木々の赤ん坊?の新芽を愛でながらゆっくりと登って行く。
ドウダンの花が落ちて散らばったりしている、ジグザグの道を登っていくとまだ咲き残っていたのが(多分)「トウゴクミツバツツジ」。
雨に打たれながらも、美しいかがやきを放ってくれていた。
ちょっと急な傾斜になったかなと思った先はもう「万二郎岳」。
なぜか、標識が「万三郎岳」になっていた。
???
ちょっとした悪戯?
しかーし、いけません。
やった人! 反省しなさい!!
ここは東伊豆町からの登山道との分岐にもなっていて、なおかつ南側が少しだけ開けている。(晴れていれば海が望めるのだろう)と思いつつ、でも海からの風が結構きつい。
ちょっと休憩しただけで先に歩を進める事にした。
ここからは一旦50mほど、下っていく。
その間、躑躅が美しい。
下ってからは平坦な道。再び新緑に包まれながらの山歩きとなる。
梯子もあったが、それほど急な傾斜はなく、相変わらずの雨の中を歩いていった。
その先に待ち受けていたのが・・・・・
「アセビのトンネル」だ。
アセビ(馬酔木)は有毒植物で馬が食べると酔ったような状態になることからこんな漢字が付けられたらしい。
緑のトンネルは歩いているだけで楽しい。
このくらい密生していると雨除けにもなる。
途中、不気味なキノコも発見した。
この間ほぼ平坦な道だが、こんな梯子を下りていくと「はなだて(石楠立)
というところ。万二郎と万三郎の中間地点だ。
名前の通り石楠花の道になるが、この時期もう花は完全に終わっている。
進むにつれ、木々も石楠花やヒメシャラとともにだんだんブナが多くなってくる。
根っこの多い、緩やかなアップダウンが
続く道をのんびりと歩いていく。
久しぶりの山、雨の中だけどそのぶん人も居ず静かでいい。
森林浴を楽しみながら進んでいくと、少し傾斜が急な登りとなり、
不意にちょっと開けた場所に出る。
そこが山頂だった。雨なのでどちらにしても展望は利かないが、木々が周りを囲んでいるので晴れていてもきっと同じだったろう。
ベンチもあり、ちょうどいい時間なので昼食にする。
(偶然にもその間だけ、雨がおさまってくれた。)
頂上には一等三角点とともに、「弥栄の神」という石碑があった。
(あとで調べてみたところでは、「弥栄(いやさか)」の意味は「一層栄えること、感謝、ねぎらい」など多種多様な意味を持つとのことでした)
山に登り、いろいろな幸に感謝、ねぎらいをするとのこと?
再び雨足が強くなりだしたところで出発。
しばらく下ると、周回道との分岐点に出る。
八丁池、天城峠方面へはここを左に折れて行く。
この辺りはブナの原生林、霧に包まれた見事な森が続いている。
山頂から20分ほどで「片瀬峠」を越えると、
ほどなく「小岳」。
特に大きなピークはない。
小高い丘って感じの場所だ。
その先は下っていく一方、だが道には落ち葉が敷き詰められていて歩きやすい。
途中、「ヘビブナ」という標識があった。コースから右に5分ほど降りたあたりにあったそれはこんなブナの木。
しかし、なんでこんな形になったのだろう。
ブナの木にはいろんな形があって面白いのだが、これも自然の造形美ということだろうか。
再び縦走路に戻る。
この先から少しずつ傾斜が急になってくる。岩場やこんなロープのあるところもあって、まあ、普通の登山道っぽい感じ。 その急な下りのところで反対側から登ってくる6人グループに遭遇。(今回、山中で逢った最初で最後の人たち)
「天城高原から来たんですか?」 って質問に
「そうです」 と答えて、 「向こうに降りられるんですか?」 と、こちらも問いかけ。
あちらも 「そうです」 とのご返事に加え、「上は風強かったですか?」 と、聴かれ
「そうでもないです。場所によってはちょっとありましたけど・・・」
もしかしたら、ここに来る間は結構風があったのかも・・・・と思いつつ急な坂を下っていく。
多分、このあたりがコースの中間地点なんだろう。
坂を下り終えると「戸塚峠」。
その先はほとんど平坦な道になってくる。
林相もブナ中心から、里山らしい雑木林に変わってくる。
途中、杉の植林らしいところも通過。
雨はまだまだ降ってはいるが、ハイキングコースのような楽々な道なので気軽な気持ちで歩を進めていく。
白田峠を過ぎたあたりから周りには楓が多くなってきた。雨に煙ってはいるがその新緑はすがすがしい。
きっと秋にはきれいに色づくのだろう。
そこからしばらく辿るとまた少し登りになってくる。
(多分、そろそろ八丁池だろう) と、思いつつ歩いていると朽ち果てたコンクリートの造作物などが目に入り、
そこを過ぎたところが池だった。池の手前は緑の草地になっている。
だが、残念ながらご覧のような状況、向こう岸の森は霞んでいてはっきりとしない。
ここには何人かのハイカーもいるかと思ったがひとっこ一人いなかった。
聞こえるのは蛙の鳴き声だけ。ここはモリアオガエルの生息地として有名なのだがもちろんカエル君にもオタマジャクシにも会えず。
池の淵を歩きながら先へと向かった。
皮肉なことに八丁池の掲示板のある場所(池のほとりから少し登ってきたところ)あたりから、霧が晴れてきた。
(あー、もう少し待ってればよかったーー)
それで、その先の展望台へ寄り道。
また、雨が降ってはきたがなんとか池を見おろすことができた。
そこからは天城峠まで下ってもいいのだが、さらに雨足が強くなってきたので寒天駐車場と呼ばれる八丁池口のバス停へ降りることにした。
約50分でバス停に着いた。のだがちょうどその瞬間から雨はより激しくなってきた。
バスの出発まで約30分、立派な待合所があって雨をしのげたのはラッキーだった。
万二郎岳(1320m)・万三郎岳(1405m) 2012年 6月16日 雨
天城高原ゴルフ場9:00-10:00万二郎岳10:05-馬の背(10:23)-石楠立(はなだて10:45)-11:10万三郎岳11:30-片瀬峠(11:53)-小岳(12:00)-白田峠(13:00)-13:45八丁池13:50-14:50寒天園地
この日、東京を出る時にはまだ曇り空だったのだが、新幹線が熱海に着くと激しい雨に変わっていた。
(確かに昨日の予想天気図では、ちょうど伊豆半島の真ん中を梅雨前線が横断していた。)
一瞬、山はやめてただの観光旅行にしてしまおうか・・・との思いもよぎったのだが・・・
5月中は体調が思わしくなく計画はしたもののどこにも行けなかったし、この日を逃すとまた1ヶ月以上は山に行ける日がない。
どうせ行く先はほとんどが樹林帯歩き。それほどひどくはないだろうと伊東発7:55のバスに乗り込んだ。
乗客は我々のほか、若い二人連れ(こちらは山支度)とスーツ姿の男性一人だけ。
早々に車中で雨具を装着し、雨中行軍?に向けて身も心も準備する。
バスは1時間弱で天城高原ゴルフ場へ到着。もうここは標高1000m以上。
なので山頂までの標高差は400mもない。遅くなったが今年の初登りにはいいだろう。
立派なトイレで用を足してから(なんせ、この先八丁池までありませんからね)
もう一組のカップルに
「天気予報通りになっちゃったね・・・」
と、挨拶?して出発。
道路脇の登山口からは、いったん下っていく。
下りきった地点が分岐点の「四辻」。
万二郎岳へは左の道をとりゆるい傾斜を登る。右は「シャクナゲコース」といって稜線の下を巻きながら万三郎岳へ直接登っていく道だ。
雨の中でもよく整備されている道は歩きやすい。木々の赤ん坊?の新芽を愛でながらゆっくりと登って行く。
ドウダンの花が落ちて散らばったりしている、ジグザグの道を登っていくとまだ咲き残っていたのが(多分)「トウゴクミツバツツジ」。
雨に打たれながらも、美しいかがやきを放ってくれていた。
ちょっと急な傾斜になったかなと思った先はもう「万二郎岳」。
なぜか、標識が「万三郎岳」になっていた。
???
ちょっとした悪戯?
しかーし、いけません。
やった人! 反省しなさい!!
ここは東伊豆町からの登山道との分岐にもなっていて、なおかつ南側が少しだけ開けている。(晴れていれば海が望めるのだろう)と思いつつ、でも海からの風が結構きつい。
ちょっと休憩しただけで先に歩を進める事にした。
ここからは一旦50mほど、下っていく。
その間、躑躅が美しい。
下ってからは平坦な道。再び新緑に包まれながらの山歩きとなる。
梯子もあったが、それほど急な傾斜はなく、相変わらずの雨の中を歩いていった。
その先に待ち受けていたのが・・・・・
「アセビのトンネル」だ。
アセビ(馬酔木)は有毒植物で馬が食べると酔ったような状態になることからこんな漢字が付けられたらしい。
緑のトンネルは歩いているだけで楽しい。
このくらい密生していると雨除けにもなる。
途中、不気味なキノコも発見した。
この間ほぼ平坦な道だが、こんな梯子を下りていくと「はなだて(石楠立)
というところ。万二郎と万三郎の中間地点だ。
名前の通り石楠花の道になるが、この時期もう花は完全に終わっている。
進むにつれ、木々も石楠花やヒメシャラとともにだんだんブナが多くなってくる。
根っこの多い、緩やかなアップダウンが
続く道をのんびりと歩いていく。
久しぶりの山、雨の中だけどそのぶん人も居ず静かでいい。
森林浴を楽しみながら進んでいくと、少し傾斜が急な登りとなり、
不意にちょっと開けた場所に出る。
そこが山頂だった。雨なのでどちらにしても展望は利かないが、木々が周りを囲んでいるので晴れていてもきっと同じだったろう。
ベンチもあり、ちょうどいい時間なので昼食にする。
(偶然にもその間だけ、雨がおさまってくれた。)
頂上には一等三角点とともに、「弥栄の神」という石碑があった。
(あとで調べてみたところでは、「弥栄(いやさか)」の意味は「一層栄えること、感謝、ねぎらい」など多種多様な意味を持つとのことでした)
山に登り、いろいろな幸に感謝、ねぎらいをするとのこと?
再び雨足が強くなりだしたところで出発。
しばらく下ると、周回道との分岐点に出る。
八丁池、天城峠方面へはここを左に折れて行く。
この辺りはブナの原生林、霧に包まれた見事な森が続いている。
山頂から20分ほどで「片瀬峠」を越えると、
ほどなく「小岳」。
特に大きなピークはない。
小高い丘って感じの場所だ。
その先は下っていく一方、だが道には落ち葉が敷き詰められていて歩きやすい。
途中、「ヘビブナ」という標識があった。コースから右に5分ほど降りたあたりにあったそれはこんなブナの木。
しかし、なんでこんな形になったのだろう。
ブナの木にはいろんな形があって面白いのだが、これも自然の造形美ということだろうか。
再び縦走路に戻る。
この先から少しずつ傾斜が急になってくる。岩場やこんなロープのあるところもあって、まあ、普通の登山道っぽい感じ。 その急な下りのところで反対側から登ってくる6人グループに遭遇。(今回、山中で逢った最初で最後の人たち)
「天城高原から来たんですか?」 って質問に
「そうです」 と答えて、 「向こうに降りられるんですか?」 と、こちらも問いかけ。
あちらも 「そうです」 とのご返事に加え、「上は風強かったですか?」 と、聴かれ
「そうでもないです。場所によってはちょっとありましたけど・・・」
もしかしたら、ここに来る間は結構風があったのかも・・・・と思いつつ急な坂を下っていく。
多分、このあたりがコースの中間地点なんだろう。
坂を下り終えると「戸塚峠」。
その先はほとんど平坦な道になってくる。
林相もブナ中心から、里山らしい雑木林に変わってくる。
途中、杉の植林らしいところも通過。
雨はまだまだ降ってはいるが、ハイキングコースのような楽々な道なので気軽な気持ちで歩を進めていく。
白田峠を過ぎたあたりから周りには楓が多くなってきた。雨に煙ってはいるがその新緑はすがすがしい。
きっと秋にはきれいに色づくのだろう。
そこからしばらく辿るとまた少し登りになってくる。
(多分、そろそろ八丁池だろう) と、思いつつ歩いていると朽ち果てたコンクリートの造作物などが目に入り、
そこを過ぎたところが池だった。池の手前は緑の草地になっている。
だが、残念ながらご覧のような状況、向こう岸の森は霞んでいてはっきりとしない。
ここには何人かのハイカーもいるかと思ったがひとっこ一人いなかった。
聞こえるのは蛙の鳴き声だけ。ここはモリアオガエルの生息地として有名なのだがもちろんカエル君にもオタマジャクシにも会えず。
池の淵を歩きながら先へと向かった。
皮肉なことに八丁池の掲示板のある場所(池のほとりから少し登ってきたところ)あたりから、霧が晴れてきた。
(あー、もう少し待ってればよかったーー)
それで、その先の展望台へ寄り道。
また、雨が降ってはきたがなんとか池を見おろすことができた。
そこからは天城峠まで下ってもいいのだが、さらに雨足が強くなってきたので寒天駐車場と呼ばれる八丁池口のバス停へ降りることにした。
約50分でバス停に着いた。のだがちょうどその瞬間から雨はより激しくなってきた。
バスの出発まで約30分、立派な待合所があって雨をしのげたのはラッキーだった。
2012年06月18日
<3日目> ニセコ新見本館を後にして・・ 2012年4月30日 晴
蘭越10:15-12:19 小樽 15:04-(快速エアポート154号)-16:16 新千歳空港 17:30-ANA074-19:05 羽田空港
旅の間は時間が経つのが早い。あっという間に3日目、もう今日は帰京しなければならない。
朝食は食堂で頂く。味噌汁の具はなんと「ふきのとう」。そういえば昨日部屋の窓から大きなビニール袋一杯に採って持ってくるのを見て、(あれが今夜のてんぷらになるのかも・・・)と思っていたのだが、それは外れ。今朝の味噌汁だった。春の香りとほんのりとした苦味がおいしい。
帰りも駅までご主人に送って頂いた。道すがら今年で30回目を迎えたという、蘭越町の歩くスキー大会の話や山の話などを伺った。
今日は昨日の続きの鉄路。
蘭越からまずは北へ、ニセコアンヌプリと羊蹄山の間の台地を目指して進む。しばらくは尻別川に沿って少しずつ高度を稼いでいくのだが、さすが「日本一の清流」だけあって車窓から見てもその流れは美しい。
途中、カヌーやラフティングをやっているグループもいて、眺めているだけでも楽しい気分になってくる。
ニセコ連峰は終始車窓の左手にあるが、羊蹄山は列車のカーブとともに左右に処を変えるのが面白い。
その姿が右に定着すると山容も大きく眺められるようになる。
勾配を登り終え、台地に達するとほどなく倶知安到着だ。
蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山はもちろんのこと、反対側のニセコアンヌプリもなかなか美しい姿。
(うーん...いつかはどちらも登ってみたい)
倶知安を出ると再び登り坂。
小沢駅を過ぎ、車道と離れると列車は完全な山の中だ。
連続20パーミルの急勾配をよじ登っていく。
その昔、SL全盛時にはC62が時には重連で登っていった場所だ。
さすがのディーゼルカーも喘ぎ喘ぎ登っていく。
トンネルを抜けた銀山駅はまだ山の中腹、次の駅然別まで来て平野部に出る。
そしてほどなく余市へ到着。
ずっと昔、駅前のニッカの工場へ行ったことを思い出す。
余市からは乗客の数も増える郊外路線。
線路の規格も違うのだろう、スピードを上げた列車はあっという間に終点小樽に到着した。
とりあえずは腹ごしらえ、ということで最近流行りのB級グルメ「小樽あんかけ焼きそば」を食べることに・・・・
入った店には、 かた焼きと柔らかの2種類があった。オッサンは柔らかいほうをカミサンはかた焼きを注文。
具(アスパラが北海道らしい)は同じものだが前者はしょうゆ味、もう一方は塩味で、これは断然塩味の方が旨い。(無論好みによるだろうが・・・)
またしてもオーダー負けしたオッサンであった。
「手宮線」跡のレールなどを見ながら、運河の倉庫群へと歩いていく。
しかし暑い!!!!!
とても北海道とは思えない陽気だ。
向かったのは「小樽総合博物館」。
実は今回、温泉に浸かることだけが目的だったのでここでの行動予定は全く考えていなかった。たまたま初日に「スーパーほくと」にあった車内誌を昨日宿で見ていて、SLアイアンホース号の運行があるという記事を見つけたので行ってみようと思い立ったのだった。
運河沿いの建物を眺めながらてくてくと
歩いて行くが、結構遠い。
いい加減汗かいて嫌になってきたところで
それらしい場所に遭遇した。
左側のフェンスの向こうには何やら懐かしい鉄道車両がいくつも並んでいるではないか。
行ってみて解ったのだがここはかつての手宮駅、数年前までは
「小樽交通記念館」だったところだった。
(こんなところで半可通ぶりを発揮してしまうとは....)
入場券はかつての硬券を模したもの。
(うー、惹かれる)
館内も鉄道関係中心の素晴らしい展示の数々だ。
だがあまり時間がないのでゆっくり見てもいられない。
汗もかいたし、この後は温泉銭湯に行こうと思っていたのだが、そいつをやめて(30分ほどでも多く)ここにいようかとの思いもよぎった。でもどうせなら中途半端にみるより「ここにはまた来よう」
と、早足で全体をつかむ感じで見て回ることにした。
外では件のSL、アイアンホースが出発の準備をしている。
アメリカのHKポーター社の1909年製とのこと、函館の市電と同じく100年以上生きてきた兵だ。
ただし、次の運転に乗車すると帰りの時間が危ない。
駅から歩いてきたのが大間違いだった。バスかタクシーで来ていれば一回前のに間に合ったのに・・・・
後悔先に立たず。(と、いうかまったくの準備不足)
なので、展示車両を見て歩くだけに・・・・(それはそれで楽しいものですが)・・・・
屋外に展示されているので、痛みもかなりあるのだがこれだけあると圧巻だ。
それでも機関庫や転車台など一通り見ながら後ろ髪を引かれる想いで
先ほど入場したのとは反対側の出入り口へ歩いていった。
ということで向かった、温泉銭湯「富士の湯」は博物館のすぐそば。簡単にみつかった。
が、開いてない・・・・よく見ると「月曜休業」だと!!
連休ということもあって曜日の感覚がなかったのだ。
<相変わらずドジなオッサンである>
情けない思いとともにもう一度博物館の小宮口に戻り、外からこちら側の転車台等を撮影。
最後に新千歳空港で買い物するカミサンと別れ、未練がましく?空港ターミナル内の「万葉の湯」に浸かって最後の一浴としたオッサンだった。 が、さすがの混みように写真は無し。
茶色のモール泉か、もちろん循環。
(それでもこの湯、露天では塩素臭もせず結構温まるいい湯であった)
蘭越10:15-12:19 小樽 15:04-(快速エアポート154号)-16:16 新千歳空港 17:30-ANA074-19:05 羽田空港
旅の間は時間が経つのが早い。あっという間に3日目、もう今日は帰京しなければならない。
朝食は食堂で頂く。味噌汁の具はなんと「ふきのとう」。そういえば昨日部屋の窓から大きなビニール袋一杯に採って持ってくるのを見て、(あれが今夜のてんぷらになるのかも・・・)と思っていたのだが、それは外れ。今朝の味噌汁だった。春の香りとほんのりとした苦味がおいしい。
帰りも駅までご主人に送って頂いた。道すがら今年で30回目を迎えたという、蘭越町の歩くスキー大会の話や山の話などを伺った。
今日は昨日の続きの鉄路。
蘭越からまずは北へ、ニセコアンヌプリと羊蹄山の間の台地を目指して進む。しばらくは尻別川に沿って少しずつ高度を稼いでいくのだが、さすが「日本一の清流」だけあって車窓から見てもその流れは美しい。
途中、カヌーやラフティングをやっているグループもいて、眺めているだけでも楽しい気分になってくる。
ニセコ連峰は終始車窓の左手にあるが、羊蹄山は列車のカーブとともに左右に処を変えるのが面白い。
その姿が右に定着すると山容も大きく眺められるようになる。
勾配を登り終え、台地に達するとほどなく倶知安到着だ。
蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山はもちろんのこと、反対側のニセコアンヌプリもなかなか美しい姿。
(うーん...いつかはどちらも登ってみたい)
倶知安を出ると再び登り坂。
小沢駅を過ぎ、車道と離れると列車は完全な山の中だ。
連続20パーミルの急勾配をよじ登っていく。
その昔、SL全盛時にはC62が時には重連で登っていった場所だ。
さすがのディーゼルカーも喘ぎ喘ぎ登っていく。
トンネルを抜けた銀山駅はまだ山の中腹、次の駅然別まで来て平野部に出る。
そしてほどなく余市へ到着。
ずっと昔、駅前のニッカの工場へ行ったことを思い出す。
余市からは乗客の数も増える郊外路線。
線路の規格も違うのだろう、スピードを上げた列車はあっという間に終点小樽に到着した。
とりあえずは腹ごしらえ、ということで最近流行りのB級グルメ「小樽あんかけ焼きそば」を食べることに・・・・
入った店には、 かた焼きと柔らかの2種類があった。オッサンは柔らかいほうをカミサンはかた焼きを注文。
具(アスパラが北海道らしい)は同じものだが前者はしょうゆ味、もう一方は塩味で、これは断然塩味の方が旨い。(無論好みによるだろうが・・・)
またしてもオーダー負けしたオッサンであった。
「手宮線」跡のレールなどを見ながら、運河の倉庫群へと歩いていく。
しかし暑い!!!!!
とても北海道とは思えない陽気だ。
向かったのは「小樽総合博物館」。
実は今回、温泉に浸かることだけが目的だったのでここでの行動予定は全く考えていなかった。たまたま初日に「スーパーほくと」にあった車内誌を昨日宿で見ていて、SLアイアンホース号の運行があるという記事を見つけたので行ってみようと思い立ったのだった。
運河沿いの建物を眺めながらてくてくと
歩いて行くが、結構遠い。
いい加減汗かいて嫌になってきたところで
それらしい場所に遭遇した。
左側のフェンスの向こうには何やら懐かしい鉄道車両がいくつも並んでいるではないか。
行ってみて解ったのだがここはかつての手宮駅、数年前までは
「小樽交通記念館」だったところだった。
(こんなところで半可通ぶりを発揮してしまうとは....)
入場券はかつての硬券を模したもの。
(うー、惹かれる)
館内も鉄道関係中心の素晴らしい展示の数々だ。
だがあまり時間がないのでゆっくり見てもいられない。
汗もかいたし、この後は温泉銭湯に行こうと思っていたのだが、そいつをやめて(30分ほどでも多く)ここにいようかとの思いもよぎった。でもどうせなら中途半端にみるより「ここにはまた来よう」
と、早足で全体をつかむ感じで見て回ることにした。
外では件のSL、アイアンホースが出発の準備をしている。
アメリカのHKポーター社の1909年製とのこと、函館の市電と同じく100年以上生きてきた兵だ。
ただし、次の運転に乗車すると帰りの時間が危ない。
駅から歩いてきたのが大間違いだった。バスかタクシーで来ていれば一回前のに間に合ったのに・・・・
後悔先に立たず。(と、いうかまったくの準備不足)
なので、展示車両を見て歩くだけに・・・・(それはそれで楽しいものですが)・・・・
屋外に展示されているので、痛みもかなりあるのだがこれだけあると圧巻だ。
それでも機関庫や転車台など一通り見ながら後ろ髪を引かれる想いで
先ほど入場したのとは反対側の出入り口へ歩いていった。
ということで向かった、温泉銭湯「富士の湯」は博物館のすぐそば。簡単にみつかった。
が、開いてない・・・・よく見ると「月曜休業」だと!!
連休ということもあって曜日の感覚がなかったのだ。
<相変わらずドジなオッサンである>
情けない思いとともにもう一度博物館の小宮口に戻り、外からこちら側の転車台等を撮影。
最後に新千歳空港で買い物するカミサンと別れ、未練がましく?空港ターミナル内の「万葉の湯」に浸かって最後の一浴としたオッサンだった。 が、さすがの混みように写真は無し。
茶色のモール泉か、もちろん循環。
(それでもこの湯、露天では塩素臭もせず結構温まるいい湯であった)
2012年06月09日
<2日目> 銀婚湯からニセコ新見本館へ 2012年4月29日 晴
落部10:36-11:31長万部12:11-13:07蘭越
帰りはご主人に駅まで送っていただいた。
車中でもいろいろなお話しを聴かせてもらったが、
「今年は上陸が遅くて・・」
「???」
「函館の宿もこの時期普段は一杯なのに、ガラガラって言ってました」
(やっぱり、職業柄か・・それは関心事ですね)
「あー、桜のこともこちらでは上陸って言うんですね・・」
なんて会話をしながら落部駅へ。
昨日は誰もいなかった駅舎におじさんが一人、掃除なんかをしている。
オッサンが国道沿いのコンビニに酒&つまみを調達しに行った後はもう一人、奥さん?が来ていた。
きっとご近所の方なんだろう。
日本だけではないと思うが、無償でいろいろ手当てをしてくださる方がいらっしゃるのは素晴らしい。
駅もきれいで使いやすいのはこういう人たちのおかげだ。
駅前には海の駅らしいこんなものも・・・
ここから長万部まではまた噴火湾沿いの鉄路。
ちょっと霞んではいるが海の景色が素晴らしい。
この列車の終着駅、長万部には定刻どおりの到着。
ここにも温泉があって浸かりたいところだ。
「行ってくれば・・」
との言葉に、思わずつられたが
乗り換え時間は40分、往復の時間を考えると実に微妙なタイミング・・・・
万が一遅れると次の列車まで2時間は待たなくてはならない。
無難に駅周りをうろうろするだけにして、さすがに今回はパスした。
長万部といえば「カニ飯」。
30年近く前に一回頂いてはいるのだが、今回もぜひ口にしたかった。
が、
「駅弁、売ってないよ!!」
外で写真を撮っていたオッサンに矢のような言葉。(・・・腹減っていらだってるな・・・)
とりあえずKIOSKで聴いてみると
「注文してから5分で届きます。カニ飯だけですが・・・・」
「もちろん、それが食べたかったんです」
と、いうことでまだ温かいそれを購入。
小樽行きの列車はキハ40+150の2両編成。なぜか旧式の40系には人が一杯(多分降車駅での便がいいのだろう)で、窓が開かない150のほうに席を取ることになった。
函館本線はこの長万部からは通称「山線」に入る。特急などは室蘭本線から千歳線を経由して札幌へ向かうのだが、もともとはこちらが本線だった。
長万部を出るとまもなく左へ折れ、海とはお別れ。ここからはすこしずつ山に登っていく。
車窓にも木々が多くなる。ここでカニ飯の出番!
毛ガニのほぐし身がたっぷり乗った飯は甘い味付けではなく、素材の味を生かしてくれるさっぱりしただしのきいた味。
久しぶりだったが、やっぱり旨かった。
線路はところどころで沢づたいになるが、そこには随所に水芭蕉が咲き乱れている。
ここにも春が来ているのだ。昨日、大沼近辺でも見られたのだがこのあたりではあきるほどその苞が目に入る。 山ではよく見る姿だが車窓から眺められるとは、さすがに北海道か。
(写真は車窓からなのでぶれぶれ!ですみません)
そんな車窓の旅も1時間ほど、最寄駅「蘭越」へ到着。
車で迎えに来てくれたご主人に連れられて宿へと向かう。
「ここは日本一水がきれいな川ですよ。ちょっと前までは四万十だったのだけれど」
と、渡る尻別川のことを教えてくれる。
その川を渡って右折、どんどん山を登って行く。
着いた宿は山の中腹、標高は500m程度だがやはり北海道、周りにはまだ雪がたっぷり残っている。
赤い屋根の、素朴な感じの建物だった。
宿に入ってすぐ左側が受付。奥が休憩コーナーのようになっている。ここにはこの宿の歴史を語る写真などが飾られていた。
次々と入浴のお客さんが来ていて、ちょっと待っている間それらの展示を見ていた。
部屋は2階の8畳間、手入れも行き届いていて清潔感がある。
案内してくれた若女将(なかなかの和服美人。でもユーモアというか茶目っ気のある方)に、
「昨日泊まった銀婚湯の旦那さんから、こちらの女将さんによろしくと言付かりました」
って、言ったら
「あー、そうでしたか。うちの女将とあちらの女将さんが仲良しなんですよ。この間も秘湯の会の会合の後に、もうひとつ別の温泉に一緒に行ってきたんです。」
そして
「もう・・・、銀婚湯さんの後にウチですか・・・順番逆にしてくれればよかったのにぃ・・・」
と、謙遜とも冗談ともとれる言葉。(いえいえ、もちろんこちらも素晴らしい宿でした)
2箇所あるお風呂の説明をしてくれて、
「混浴の露天風呂用に女性の方の湯浴み着を部屋の前のソファの隣に用意してありますから、好きな色のをご利用ください」
←(って、いうのがこれでした。)
さて、今日は時間がたっぷりある。外へ出ても雪ばかりだし温泉三昧するぞ~、とまずは第二浴場へ・・・
タイル張りのすっきりした湯船に満々と湯が注がれている。15-6人は入れそうな大きな湯船だ。 もちろん、完全源泉掛け流し、あっさりしているがとても温まる湯だ。
源泉は67℃とのことだがこの位置で温度もちょうどいい具合。(夏場だとちょっと熱いかも・・・でその際は若干湧水を加えるらしい)
泉質は石膏泉と弱食塩泉の2種類でどちらも自然湧出という贅沢な温泉だ。
内湯の奥の扉を開けるとそこは混浴露天風呂。
こちらもやはり十数人は余裕で入れる大きさ。
途中まで(半分以上)は大きな岩が間にあるので女性でも入りやすいと思う。
奥の岩の上にはまだまだ厚い雪の壁が...そしてその雪の先にはニセコ連峰の山々がそびえている。
雪の壁の手前の樋からお湯が注がれている。
季節的にもちょうどいいくらいだった。(夜は寒いかも・・・なのでこちらには入りませんでした)
もうひとつの浴場は宿の建物の反対側にある。
こちらには熱めの湯と普通目の湯の二つの湯船。間には飲泉用の湯口がある。
二つの浴場の源泉は同じものらしいのだが、なぜかこちらの湯の方が濃く感じる。湯船の大きさによる違いかもしれないが・・・
また、ここには蒸気風呂と打たせ湯もある。
このサウナのような風呂がとても気持ちいい。
木の壁と床、その床に隙間があってその下を源泉が流れている。その湯気が室内を満たしているのだ。
中には砂時計もしっかり設置されていた。
そんな2つのお湯と部屋を行ったり来たり(間には当然!「サッポロクラシック」)、なんとも贅沢な午後の
過ごし方.... <uummmmm.....極楽じゃっ!!!!>
夕方近く、なにやら外が騒がしい。
窓から覗くとスキーツアーご一行様の到着だった。後で聞いた話によれば日本海沿いの岩内からスキーで到着したという。(そういえば、玄関に大きな荷物がいくつもあった)
ここから見える目国内岳あたりを登って降りてきたみたい・・・スキー未体験のオッサンには夢のような話・・・地元の方が中心かと思ったが、そうではなく東京からのお客さんが多いとのこと。門外漢のオッサンでもニセコといえばスキーという連想はある。雪質もいいらしいのでそれはそれで楽しい休日だったのだろうと想像できる。
さて・・・それはそれとして・・・夕食は1階の別の部屋(6畳間、休憩用か湯治用のお部屋でしょうか・・)にテーブルが置かれて用意されていた。
地のもの中心のおいしい食材。
味付けもよろしい。
美人若女将にお酌してもらい、鼻の下も伸びきるオッサンであった。
落部10:36-11:31長万部12:11-13:07蘭越
帰りはご主人に駅まで送っていただいた。
車中でもいろいろなお話しを聴かせてもらったが、
「今年は上陸が遅くて・・」
「???」
「函館の宿もこの時期普段は一杯なのに、ガラガラって言ってました」
(やっぱり、職業柄か・・それは関心事ですね)
「あー、桜のこともこちらでは上陸って言うんですね・・」
なんて会話をしながら落部駅へ。
昨日は誰もいなかった駅舎におじさんが一人、掃除なんかをしている。
オッサンが国道沿いのコンビニに酒&つまみを調達しに行った後はもう一人、奥さん?が来ていた。
きっとご近所の方なんだろう。
日本だけではないと思うが、無償でいろいろ手当てをしてくださる方がいらっしゃるのは素晴らしい。
駅もきれいで使いやすいのはこういう人たちのおかげだ。
駅前には海の駅らしいこんなものも・・・
ここから長万部まではまた噴火湾沿いの鉄路。
ちょっと霞んではいるが海の景色が素晴らしい。
この列車の終着駅、長万部には定刻どおりの到着。
ここにも温泉があって浸かりたいところだ。
「行ってくれば・・」
との言葉に、思わずつられたが
乗り換え時間は40分、往復の時間を考えると実に微妙なタイミング・・・・
万が一遅れると次の列車まで2時間は待たなくてはならない。
無難に駅周りをうろうろするだけにして、さすがに今回はパスした。
長万部といえば「カニ飯」。
30年近く前に一回頂いてはいるのだが、今回もぜひ口にしたかった。
が、
「駅弁、売ってないよ!!」
外で写真を撮っていたオッサンに矢のような言葉。(・・・腹減っていらだってるな・・・)
とりあえずKIOSKで聴いてみると
「注文してから5分で届きます。カニ飯だけですが・・・・」
「もちろん、それが食べたかったんです」
と、いうことでまだ温かいそれを購入。
小樽行きの列車はキハ40+150の2両編成。なぜか旧式の40系には人が一杯(多分降車駅での便がいいのだろう)で、窓が開かない150のほうに席を取ることになった。
函館本線はこの長万部からは通称「山線」に入る。特急などは室蘭本線から千歳線を経由して札幌へ向かうのだが、もともとはこちらが本線だった。
長万部を出るとまもなく左へ折れ、海とはお別れ。ここからはすこしずつ山に登っていく。
車窓にも木々が多くなる。ここでカニ飯の出番!
毛ガニのほぐし身がたっぷり乗った飯は甘い味付けではなく、素材の味を生かしてくれるさっぱりしただしのきいた味。
久しぶりだったが、やっぱり旨かった。
線路はところどころで沢づたいになるが、そこには随所に水芭蕉が咲き乱れている。
ここにも春が来ているのだ。昨日、大沼近辺でも見られたのだがこのあたりではあきるほどその苞が目に入る。 山ではよく見る姿だが車窓から眺められるとは、さすがに北海道か。
(写真は車窓からなのでぶれぶれ!ですみません)
そんな車窓の旅も1時間ほど、最寄駅「蘭越」へ到着。
車で迎えに来てくれたご主人に連れられて宿へと向かう。
「ここは日本一水がきれいな川ですよ。ちょっと前までは四万十だったのだけれど」
と、渡る尻別川のことを教えてくれる。
その川を渡って右折、どんどん山を登って行く。
着いた宿は山の中腹、標高は500m程度だがやはり北海道、周りにはまだ雪がたっぷり残っている。
赤い屋根の、素朴な感じの建物だった。
宿に入ってすぐ左側が受付。奥が休憩コーナーのようになっている。ここにはこの宿の歴史を語る写真などが飾られていた。
次々と入浴のお客さんが来ていて、ちょっと待っている間それらの展示を見ていた。
部屋は2階の8畳間、手入れも行き届いていて清潔感がある。
案内してくれた若女将(なかなかの和服美人。でもユーモアというか茶目っ気のある方)に、
「昨日泊まった銀婚湯の旦那さんから、こちらの女将さんによろしくと言付かりました」
って、言ったら
「あー、そうでしたか。うちの女将とあちらの女将さんが仲良しなんですよ。この間も秘湯の会の会合の後に、もうひとつ別の温泉に一緒に行ってきたんです。」
そして
「もう・・・、銀婚湯さんの後にウチですか・・・順番逆にしてくれればよかったのにぃ・・・」
と、謙遜とも冗談ともとれる言葉。(いえいえ、もちろんこちらも素晴らしい宿でした)
2箇所あるお風呂の説明をしてくれて、
「混浴の露天風呂用に女性の方の湯浴み着を部屋の前のソファの隣に用意してありますから、好きな色のをご利用ください」
←(って、いうのがこれでした。)
さて、今日は時間がたっぷりある。外へ出ても雪ばかりだし温泉三昧するぞ~、とまずは第二浴場へ・・・
タイル張りのすっきりした湯船に満々と湯が注がれている。15-6人は入れそうな大きな湯船だ。 もちろん、完全源泉掛け流し、あっさりしているがとても温まる湯だ。
源泉は67℃とのことだがこの位置で温度もちょうどいい具合。(夏場だとちょっと熱いかも・・・でその際は若干湧水を加えるらしい)
泉質は石膏泉と弱食塩泉の2種類でどちらも自然湧出という贅沢な温泉だ。
内湯の奥の扉を開けるとそこは混浴露天風呂。
こちらもやはり十数人は余裕で入れる大きさ。
途中まで(半分以上)は大きな岩が間にあるので女性でも入りやすいと思う。
奥の岩の上にはまだまだ厚い雪の壁が...そしてその雪の先にはニセコ連峰の山々がそびえている。
雪の壁の手前の樋からお湯が注がれている。
季節的にもちょうどいいくらいだった。(夜は寒いかも・・・なのでこちらには入りませんでした)
もうひとつの浴場は宿の建物の反対側にある。
こちらには熱めの湯と普通目の湯の二つの湯船。間には飲泉用の湯口がある。
二つの浴場の源泉は同じものらしいのだが、なぜかこちらの湯の方が濃く感じる。湯船の大きさによる違いかもしれないが・・・
また、ここには蒸気風呂と打たせ湯もある。
このサウナのような風呂がとても気持ちいい。
木の壁と床、その床に隙間があってその下を源泉が流れている。その湯気が室内を満たしているのだ。
中には砂時計もしっかり設置されていた。
そんな2つのお湯と部屋を行ったり来たり(間には当然!「サッポロクラシック」)、なんとも贅沢な午後の
過ごし方.... <uummmmm.....極楽じゃっ!!!!>
夕方近く、なにやら外が騒がしい。
窓から覗くとスキーツアーご一行様の到着だった。後で聞いた話によれば日本海沿いの岩内からスキーで到着したという。(そういえば、玄関に大きな荷物がいくつもあった)
ここから見える目国内岳あたりを登って降りてきたみたい・・・スキー未体験のオッサンには夢のような話・・・地元の方が中心かと思ったが、そうではなく東京からのお客さんが多いとのこと。門外漢のオッサンでもニセコといえばスキーという連想はある。雪質もいいらしいのでそれはそれで楽しい休日だったのだろうと想像できる。
さて・・・それはそれとして・・・夕食は1階の別の部屋(6畳間、休憩用か湯治用のお部屋でしょうか・・)にテーブルが置かれて用意されていた。
地のもの中心のおいしい食材。
味付けもよろしい。
美人若女将にお酌してもらい、鼻の下も伸びきるオッサンであった。