2011年10月

2011年10月29日

  3日目 五色ヶ原も雨の中   (2011年8月23日 雨~曇り~雨)  
スゴの小屋6:30-7:20スゴ乗越7:30-スゴの頭(8:15)-9:10 <’2430m’地点>9:30-越中沢岳2591m(10:10)-11:15越中沢乗越11:30-鳶山2616m(12:40)-13:20 五色ヶ原山荘


 静かな静かな山小屋であったが、夜半から外の雨の音が大きくなってきた。20110823 (2)
 今朝も雨。
 もうほとんど、天気はどうでもいいやって気分になってきた。

 この日も尺取り虫行程なんで、薬師に向かう若者を見送ってからゆっくり出発。
 激しい雨の中、まずはスゴ乗越まで樹林の中を下る。
 小屋を出てすぐのところにテン場があった。 昨日一緒だったカップルも出発の準備中。

 20110823 (3)とにかくここからはひたすら下っていく。小屋が2370mで乗越しは2140m、たかが200mちょいだが、きつい下りだ。木立の中なので展望もない(もっとも、この日も雨だったので関係ないのだが・・・)道はきっちりと整備されていて、途中木道の区間も結構あ
20110823 (9)る。雨に濡れた木道は滑りやすいので要注意。

   雨脚は強くなったり弱まったりを繰り返す。
 
 
  そんな中ぐっと下ってからスゴの頭までの登りはきつい。
 この辺りから西の風が激しくなってきた。足元の悪い場所で横からたたきつける雨に加えて時々飛ばされそうな風。  滑りやすい急登の道を体を低くして進んでいく。

 荒涼とした(風雨のせいで、よけいそう思えたのかも)スゴの頭(頂上は巻いていきます)はさっさと通過。
  左に折れるとまたまた、怒涛の下りだ。
 とにかくこのコース、距離の割にアップダウンが激しい。それだけ深い山の中ということで、晴れていればそれなりに楽しいのだろうけど・・・・・・・
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それでも時々雨が弱まった時に写真を撮りながら歩く。
  
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そんな風にして降り切ったところで
 登山道に雷鳥がいた。
 我々の道案内をするようにずっと前を歩いていく。

     50mほどお付き合いしてくれたあとハイマツの間に隠れたがしばらく行くとまた顔を出す。
 20110823 (51)     (ちょうど登り返す場所だったので、いい気分転換になった)

 そこでは(この日唯一人の)反対側から登ってくる方と出会った。
 その方もちょっと上で(多分同一物?)雷鳥に遭遇したらしい。
 

 この先の登りでもまた立山側からの風が厳しかった。道は地形に沿って曲がりながら登っていくので場所によって前から、横からあるいは後ろからと変わってくる。夢中で登っていき黒部側に回るとこちら側は風もない。
    雨も少しおさまってくれたここで大休止。
 
 軽食を口にしながらのんびりしていると、ちょっとだけガスが切れてきた。
   黒部の谷もうっすらと見えて、ちょっとだけ満足。

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  そこからはロープのある場所などを通過して(ただしそれほど危険な場所ではない)、
  ほど20110823 (71)なく越中沢岳に到着。
20110823 (72)来なら薬師の雄姿を拝める場所らしいが、まったく何も見えず。
  ここも早々に通過した。

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 頂上周辺は台地状に広がっていて、割と気持ちよく歩ける。20110823 (77)
 天気も回復してきてアルペンムードを楽しむ。

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  ここで一瞬だが雨があがり、山上の景色をようやく目にすることができた。
 今回初めてといってもいい、この光景に見とれて頂上から少し下ったあたりで右に折れるべきところをまっすぐ進んでしまった。
 そこで、例のテント縦走組がやってくる。

 「やっと、山らしい景色が見れたねぇ」
 などと言葉を交わして、笹のトンネルのような道を下る彼らの後を追っていった。

20110823 (84)20110823 (92) 20110823 (94) その間のちょっとだけがこの日のハイライト。

 また、激しい雨が20110823 (86)襲ってきた。
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20110823 (95)  風もひどくなり視界もなくなってくる。半分ヤケクソ気味で歩いているうちに鳶山到着。

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 あーもう少しだ、と安堵の気持ちになる。

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 この後は下る一方、木道をさっさと降りていく。

20110823 (109)  小20110823 (108)屋が見えてきてからが長い(いつものことですが)。
 
   次第に強まる風雨(この時が一番激しい雨だった)の中、五色ヶ原の雄大な台地に降り立っていく。 
  まだ雪渓も大きく、晴れていれば気持ちがいいんだろうに・・・・と思いながら.............

 ほうほうのていで山小屋に到着。当然一番乗りだが・・・
 ご主人は「今日は誰も来ないかと思った」 と言っていた。
それほど激しい雨。 とにかく濡れた雨具を乾かす。
 (でもその後、室堂側から登ってきた人たちが何人かいて、話によればそちらは午前中雨はなかったという)
20110823 (110) で、この日は広い部屋を個室状態で貸していただいた。

 そしてここでのご褒美は風呂!

 男女1時間毎の交代制だが、山では普通ない風呂に入れるのがうれしい。
 湯船に浸かっていると、やたら背の高い外国人が入ってきた。
 ベルギーの方とのこと。
 上高地まで行く予定という、彼の行程にその場にいた方たちと話しながらくつろいだ。
 (浮世風呂ですね。   日本人に生まれてよかった)
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長崎大学でプランクトンの研究をしているという彼とは夕食も隣、奥さんともいろいろ楽しい話をさせてもらった。
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夕方すぎになっ20110823 (111)てやっと雨が上がる。20110823 (132)
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      ここからの眺望は前にも見たのだが、明日が期待できる雲行きだ。
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   せめて最後の日ぐらいは雨にならないでほしい、と祈りながら眠るオッサンであった。



mackkmackk55 at 11:27│コメント(4)トラックバック(0) | 

2011年10月25日


   一昨日の土曜日、「日経プラス」の温泉紹介を見ていたら長野県大鹿村の「鹿塩温泉」が載っていた。osm_sb3_large
  大鹿村といえば塩見岳への玄関口でもあり、温泉ファンにとっても鹿塩の湯は一度は行ってみたいところです。
そこで、ふと思い浮かんだのが「大鹿村騒動記」。見たいと思いつつ見逃してました。
早速ネットで調べると都内では王子でまだやっていることが判明。
というわけで翌日曜日、見に行くことにしました。

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PA230129  王子へは我が家からバスで1本で行けます。休日の午前中PA230133とはいえ、車内は結構込んでいました。




  環七をずっと北上するのですが、たまにはこういうプチ旅も楽しいもの。40分強乗って200円ポッキリというのも経済的です。PA230137

ちょうどいい時間に王子到着、早速映画館へと向かいます。

     で、肝心の映画ですが・・・・

  いきなり路線バスの車窓からはじまります。山々の紅葉がとっても美しくてちょうど今の季節を感じさせてくれます。終点で降りたのが主人公である風祭善(原田芳雄)の妻、貴子(大楠道代)と幼なじみの治(岸辺一徳)。二人は駆け落ちして村を出奔、何十年?か振りの帰郷です。
 善が営む店の名は「ディア・イーター」、名前のとおり鹿料理の店です。(このネーミングに思わず笑っちゃいました)

それからは無形文化財「大鹿歌舞伎」を中心に、悲喜こもごもの人間ドラマが絡んでいく展osm_ma1_large開。
伝統の歌舞伎に打ち込む村の人々の生活にも時代の流れは打ち寄せてきて、過去と未来が錯綜する中で数々のエピソードが語られていきます。

  平凡な表現ですが、本当に生き生きとしたヒューマンドラマでした。エンディングは清志郎の「太陽のあたる場所」(ここでも思わず泣けました)

  脇を固める俳優も石橋蓮司、佐藤浩一、小倉一郎、小野武彦、松たか子、そして三国連太郎と超豪華!
  主演の原田芳雄はその演技もさることながら、歌手としても憧れの人でした。この作品が遺作となってしまい本当に残念でなりません。

  ご冥福をお祈りします。


PA230138    ほろっと涙した後は、映画館の前の「お札と切手の博物館」を覗いてみました。
PA230144ここは国立印刷局の跡地を利用して作られた博物館です。お札や切手の歴史とさまざまな印刷方法、海外の事例の紹介に加えパスポートや印紙などのことなど興味深く見ることが出来ました。



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   10月にしてはは暑かったこの日、ちょいと小腹を満たすのにも冷たいビールがほしい・・・と「北とぴあ」1階にあるKirin Cityで。


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PA230165   昼間のビールでいい気分になったので、酔い覚ましに付近を散策。
  オッサン、実は小学校4年まで「北区民」だったので土地勘はあります。
 「名主の滝」も頭をよぎりましたがお手軽?な音無渓谷へ・・・

  ここは石神井川が深い渓谷を刻んでいた場所で都会の中とは思えないくらい、緑豊かなところ。なんせ50年近いブランクがあったのでどんなかなあ、と思っていました。
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「音無親水公園」として整備された現在、川の流れは人工的な放水になっていました。、節電ということで水の流れがなくてちょっと残念でしたが周りの木々は当時と同じように暑い日差しをさえぎってくれています。

子供のころを思い出しながらのんびりと散策。

ついでに向かいの飛鳥山にも足を伸ばしました。

PA230169 明治通りには都電が今でも走っています。
 そしてなぜかこの日はカメラを抱えた大勢の人でいっぱい。三脚を立てて構えている人もいます。
 何かイベントでもあるのかなあ?と思いつつ、通りを渡り飛鳥山へ。
 ここは徳川時代から続く公園で(小学校の郷土史で習いましたから)、桜の名所でもあります。

PA230171 ここでもイベントがあって、(ちょうど抽選会をやっていて)一等の液晶テレビが当たっPA230172たところでした。
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  ぶらぶらと木々の間を歩きながら、初めてみた「アスカルゴ」(飛鳥山とエスカルゴをかけてるんですね)に乗車。PA230177

  明治通りに降りるとここもすごい人波。何でかな?と思っていたら、向こうから「花電車」がやってきました。(子供のころ近所の人たちと中仙道まで見に行ったのを思い出します)
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  思いもしなかったので人垣の間から撮った写真はこんなもんですが、このために皆さん集まっていたのですね。

  帰ってから調べたら「都電開通100周年」の催しだったようです。

  ふとした偶然で見に行った映画と子供時代の懐かしい場所、そしてもうひとつの偶然の出会い。
  なにかうきうきする日曜日になりました。


mackkmackk55 at 21:33│コメント(0)トラックバック(0) | 

2011年10月21日

  2日目 薬師岳(2926m)からスゴ乗越小屋まで (2011年8月22日 雨、一時曇り)  
 薬師岳山荘6:35-7:35薬師岳7:45-8:55北薬師岳9:00------11:00間山11:30-12:25スゴ乗越小屋


     この日はスゴ乗越小屋までの楽チン行程<その理由=①薬師のカールや黒部の廊下、昨年歩いた裏銀座の山並みを撮りたい ②素敵そうなスゴの小屋に1泊したい ③せっかくの長期休暇なので稜線でのんびりとしたい だったのだが・・・>なので、ゆっくり出発。五色ヶ原まで行く方達はもちろん、五郎や雲の平方面への人たちがみんな出発した後に小屋を出た。

20110822 (3) 昨夜の夜景はなんだったのか、外は相変わらずの雨。前回もここではガスの中で何にも見えなかったが、今年も同じだ。

20110822 (6) そんな中、ザレた道を一歩ずつ頂上目指して登っていっ20110822 (7)た。

 




 
  
   1時間ほどで到着した山頂には単独行の若者が一人いただけだった。
   晴れていれば360度の眺望で北アのほとんどの山や日本海が見えるというのだが、まったく何も見えない。
 でも、雨の中とはいえ今回の山行中の最高峰、少しだけ頂上気分を味わった。
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  ここから先は初めての道、祠の裏から北へ歩を進める。北薬師まではいくつかの小さなピークを越えていくのだが岩ゴロの道と雨のせいか歩みものろい。
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 二度ほどここが北薬師かと勘違いしながら、1時間以上かかって到着。
    ここでも周りはガス。
 行く手から僕と同年代くらいの女性が一人で登ってきた。

 「地図で想像してたより結構厳しい登りだった」 とのこと。
 岩場が苦手だという。
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 その言葉に気を引き締めて再出発。ここからは岩稜を下っていくのだが頂上直下で、もと来た方向に向かう巻き道(?)に入り込んでしまった。
   すぐに”なんかおかしい”と引き返したのだが岩場では方向にも注意が必要だと改めて感じた。


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      北薬師からどんどん下っていくとやがて岩は終わり、普通の登山道になる。雨は小降りになってきた。


     遠望はきかないが周りのガスは切れてきた。まったく出会う人もない静かな稜線を歩いていくのが楽しい。期待した展望には恵まれなかったが、もう終わりかけてはいてもけなげに咲く花々が歓迎してくれる。
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    しばらく行くと左に折れてザレた道を下る。その先は二重山稜になっていて風もなく歩きやすい道だ。
そのあたりでおそらく薬師峠のテン場から来たと思われる若いカップルをやり過ごす。
(その後も何度か彼らと遭遇。今回の山行の唯一の同行者だった)
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    まあ時間はたっぷりある。のんびり歩いていけばいい。
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 二
重山稜を過ぎると、傾斜はあるがどっしりとした感じの道になる。
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           一瞬
だけガスが切れて、上の廊下がほんの少し顔を出してくれた。20110822 (39)



 そんな風に雨が降ったり曇ったりの道行きを繰り返して少し登ったところが間山のピーク。
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          ちょうどそこで雨が上がったので昼飯にする。

20110822 (45)角点がある場所には小さなベンチもありちょうどいい。そばには小さな池もあった。20110822 (34)
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20110822 (49)  その後は怒涛の下り。ずんずん降りていくとやがて樹林帯に入る。
     
     この辺り、傾斜は急だがまだ咲き残っている花々が美しい。
        もうちょっと早い時期だったらもっと素晴らしかったに違いない。

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 いったん平坦地に出るとそこは湿地帯。ほとんど沢状の道を過ぎてまた森を下っていくと、不意にスゴの小屋が現れた。

 

  三脚立てて写真を撮ることもなかったので予定よりずいぶん早めに到着。20110822 (60)20110822 (58)

   小屋の前にある石に生えたコケも美しい。

  もう、午後はここでまったり過ごそう。


 
20110822 (61)20110822 (62)  HPで見たとおりのシンプルな山小屋。雨じゃなかったら前のテラスでのんびりするのもよさそうだが、雨脚は着いてからのほうが激しくなってきた。改装されてからまだそんなにたってないのか、新しい?きれいな食堂でビールを飲みながらのんびりする。(これぞ至福の時!)
 
  
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  小屋の方によると梅雨明けしてからずっとこんな天気だったそうで、
今年は登山客も少
なかったという。
  僕らだけが運がなかったということではなさそう。

 
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 ここでぼーっとしてたら西瓜の差し入れをいただいた。
 常連さん?が下から担いで持ってきたとのことで、これがめっぽううまかった。(ごちそうさまでした)

 この日はその後の通過者もなく、結局泊り客は僕らだけ?




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20110822 (70)20110822 (69)  噂どおりのおいしい夕飯(僕がこれまで泊った小屋の中では最高の部類・・・・おでんもおいしかったし、アザミのてんぷらが絶品だった)のあと、外はちょっとだけ雲が切れてきた。黒部川の向こうに重厚な赤牛岳の裾が見えてくる。昨年歩いた裏銀座の山並みもうっすらと顔を出してくれた。北には明日登ることになる越中沢岳がかかってこいとばかりに聳えている。

20110822 (73)20110822 (76)   光景を楽しんでいると、6時頃に一人の青年が到着。
 当初は五色に泊る予定だったのを、あまりに早く着いたのでここまで足を伸ばしたと言う。
 (それにしても、室堂からここまで一日で来るとは・・・!!)

 
20110822 (74)20110822 (75)  それからも雨は降ったりやんだりを繰り返していたが、黒部の先の山端に灯りが見えた。
「あの光は、もしかして烏帽子小屋?」
 と小屋の方に聞くと、
「そうです、向こうからも見えるそうですよ」

 との答え。

 20110822 (67)ずっと雨の中だったが、これが見えただけでもうれしい。

  (鏡平から見えた槍の小屋のことを思い出した)
 結局目的のうちはかなわなかったけど、は大満足。
  (他にお客さんがいなかったせいもあるとは思うがアットホームな雰囲気でくつろげた)
  そんなわけでこの日はこの小屋に宿泊者3人。
  静かな、静かな山の一夜となった。
                                (・・・・まだまだ続きます・・・・)

mackkmackk55 at 22:37│コメント(0)トラックバック(0) │

2011年10月07日

  1日目 とりあえず薬師岳山荘へ                 (2011年8月21日 雨)  
  折立8:35-10:10三角点10:15-11:05ベンチ(2010m地点)11:15-12:35太郎平小屋13:15-15:15薬師岳山荘


  翌朝目覚めて、まず見たのは外。
だが、無常にも窓から見える駐車場の地面を見ると激しい雨脚のよう。

20110821_050652_39 今日は6:10発の折立行きバスに乗る。(富山駅からの直行便はこの日が今年最後の運行日だった)

   20110821_070106_19駅の「源」(鱒寿司で有名ですね)売店で朝食用のおにぎりを購入しバスに乗り込む。このバスも以前の乗り合い用車両ではなく、観光バス仕様になっていた。おまけに今日はすいていて2席づつ座れる。荷物を隣に置いておけるので楽チンだ。

車内でおにぎり(結構いけた)を食べながら、また半分眠りつつ折立到着は予定通りの8:10ころ。


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    雨は弱くなったりまた激しくなったりの繰り返しだった。まあ今日は一日雨具が手放せないなと観念して登山開始。20110821_075648_082



    登山口には三八豪雪遭難の慰霊碑がある。夏とはいえ侮れない山、気を引き締めて歩き出した。
20110821_091623_44
20110821_091630_45
最初からジグザグの登り道、しかも雨のせいで足元はすこ20110821_093554_47ぶる悪い。しかしここを登るのは3回目、気持ち的には先が見えて楽な登りだ。






20110821_094128_48   途中何度か小休止をとりながら最初の目安となる、三角点(1871m)に到着。
20110821_102118_52一服した後はまた樹林帯に入る。そこから先、勾配のきつい沢のような道を行くと突然開けた場所に20110821_094929_49出る。
森林限界を越してやっと高山らしい風景(といっても回りはガスに囲まれているが)、木道の道が続いている。

20110821_112744_37   景色を楽しむ代わりに夏の終わりの花々を愛でながら、ゆっくり太郎平を目指した。
20110821_102439_24
  もう少しで太郎の小屋かな、と思っていた時、上から5-6人の方達が凄い早足で降りてきた。
一人は背中に人を負ぶっている。
  「事故か!」
 と思って道をあけると背負われた人は両足に包帯を巻いていた。僕らP8210036が脇によけた場所で背負い手交代をしている。背負われていた人はとても大きな方で、これは大変だなあと思いつつまたしても自戒。安全登山に心がけます。

20110821_112436_53  これまでも何回かこういう現場に出会ったことがあるが、やはりその都度他人事では20110821_122141_55ないと思う。いくら注意をしてもアクシデントがあるのが山なのだ。

さて、気を引き締めてすべる木道を慎重に歩いて着いた太郎小屋。晴れていれば薬師はもちろん、昨年登った水晶も美しいのだが・・・・今日はまったく視界なし。20110821_100217_512

雨の中でストーブ、コッヘル出すのも面倒になり、小屋のラーメンで昼飯とした。
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  ここから薬師峠のテン場までは平坦な道のあとぐぐっと下る。だがその後の登りがきついのだ。
20110821_130508_61沢沿いの急な道を何度か簡単な渡渉を繰り返しながら再び尾根に取り付くまで、息を20110821_132838_65切らせながらの登りとなる。

そんなわけで途中ときどき小休止。折立から一緒で抜きつ抜かれつを繰り返していた、若者3人組もこちらに来ている。大きなザックを背負っていたのでてっきりテン場までかと思っていたので声をかけた。

 「どこまでいくのー?薬師にはテン場ないよ」
 「小屋までいきまーす」
 「えー、そんなでっかいザックだったからてっきりテン泊だと思ったよ」
 「いやぁ・・・・この中、お菓子がいっぱい詰まってるんで・・・」

最近の若者はおもしろい(こちらもそんなことを思う歳になったということか)。
彼らとはこの後も遭遇を繰り返しながらの道行きとなった。

20110821_134759_6720110821_134822_68   途中、ちょっとしたお花畑?で写真を撮っているご夫妻にも遭遇、奥方は花がお好きと見えて熱心にチングルマに向かっている、ご主人が ”ここの水おいしいよ” と教えてくれた。 この方たちも小屋では一緒だった。



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  そして辿り着いた、薬師岳山荘!
「おー!綺麗になったね」
と、思わず叫びたいくらい立派な山小屋に生まれ変わっていた。

 前に来たのはちょうどマー君vs祐ちゃんの高校野球決勝のときだったので、5年ぶり。
HPで見てはいたのだが、本当に木の香りがすがすがしい立派な小屋だ。
食堂も(以前は狭い談話室兼の食事場!で何回も交替の食事だった)広くゆったりしている。P821004420110821_150404_7620110821_150356_75









  新装なった小屋を観察しながらまずは到着の一杯だが、その前に一服もしたい。
で、外に出ると・・・・
なんか香ばしい匂い。玄関脇のテラス?でもう結構出来上がっているオジサンがいる!
 「これ飲まない?」
と、渡されたのは発泡酒だが、
 「いや、間違えて買っちゃってね。俺、プリン体ない奴じゃないとだめなんだよ」
 「はっ、はー。じゃあ・・・・」
  目の前に出されて、飛びつかないわけはない。
20110821_132728_62 「じゃあ、いただきまーす」
と、ご相伴にあずかることにした。

高岡にお住まいというこのお二人、一人は居酒屋をやっていてもうひとかたは市の公務員だという。
地元ということでもう何度もここには来たことがあるらしい。
いろいろお話はしたが、あまり長くもしゃべっていられない。
(なんせ、相方をほっぽっておりますから)
 「後でまた来ます」
と言って、その場を辞した。
 「だめだよ。これ、全部飲み干さなきゃ」
って言われながら・・・・。

で、食堂で待っていた相方とビールを飲んでからまた見参。
さすが居酒屋をやっているらしく、おいしいつまみが並んでいます。
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  ふぐの一夜干し、いわしのみりん漬け、果ては富山湾の蛸まで・・・・
さらには・・残ったふぐの骨を日本酒に入れて骨酒にしている!
  (こちらもおいしくいただきました)

そして当然話題は山のこと。
まだ剱には行ったことがないと言うと--
「ぜひ、早月尾根から登りなさい」と公務員氏。
「でも、やっぱり最初はタテバイ、ヨコバイ経験したいよねぇ」と居酒屋ご主人。
聴くところによると地元では「早月尾根往復日帰り山行」をするとんでもない人たちがいるらしい。
「ワシも若い頃やったけどね」
と、言われて絶句。P8210075
ほかにも栂海新道の話など、いろいろおもしろい話を聞かせてもらった。
(ただ、このオヤジさんたち後は飲みすぎか・・ちょいと問題ありでした)

さて、小屋の飯は豚カツがメイン。(これもうまかった)

夜には富山市内の夜景も見え、明日への期待に胸躍らせつつ就寝したオッサンであった。


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