2011年07月

2011年07月31日

金曜日の夕方、伊良部の訃報が飛び込んできた。

DSC_0312  びっくりすると同時に(自殺との報道で)、とてもやりきれない気持ちになった。

川崎時代も千葉に移ってからも、何度も彼の雄姿を見てきたものにとっては信じられない気持ちでいっぱいだ。

  土曜日と日曜日の日刊スポーツでは2日続けて1面トップの扱いだった。
星野監督に何度も電話した話とか、元チームメイトのコメントもあったが、小宮山の「本当は恥ずかしがり屋で、気の小さい男」という言葉が象徴しているように思える。

  さらに今日(日曜)の1面ではイチローがその思いを語っていた。
見出しは「伊良部さんが基準」というものだったが、その中で伊良部がレンジャースにいた時代のエピソードが彼の人間性を物語っているものだった。



   (ダラスで長谷川投手と一緒に焼肉店に行った際)「投球、ピッチングフォームについての力説が始まって、野球についての考え方も含めて、止まんなくなっちゃったんですよね。でも、僕ら早く帰りたいからどうやって帰ろうか、長谷川さんと相談してたぐらい野球が大好きだったんでしょうね。あの時はあきれ返りましたけど、そういう熱い、ゲームに対する思いを持った人だったですよね」

  そう、彼はヒールのような役割で、報道陣ともまたフロントともあつれきを繰り返してきた。時にはファンとももめたこともあった。

 でも、それも彼のその「熱い思い」の表現でもあったのだろう。

  西武球場(当時)での清原との対決は今でも語りぐさになっている。
(僕はその時、TV観戦だったのだが)あの158キロの剛速球を投げた後、球場のスピードガン表示は消されてしまった。そのスピードに計器が故障したと思ったという、球場職員の言い訳があったがそれも球史に残る一瞬だった。

  もうひとつ、よく覚えていることがある。
彼がノックアウトされてベンチに下がった後、(ベンチでだったか、ロッカールームでだったかは定かではないが)悔しさのあまり壁を殴って骨折したことがあった。

  当時は、彼らしいが相変わらずバカなことをするやつだと思っていた。
でもそれも彼の気持ちの表現の一つだったのだろう。

  遺書も発見されて自殺ということが明白になったみたいだが、あまりにもまじめに野球に取り組んでいすぎたことが命取りになったのだろうか。(榎本喜八を思い出してしまう)

 1994年に最多勝と最多奪三振
 1995年には防御率1位に加えて再びの三振奪取王
 1996年2年連続の防御率1位

 成田文男に続き、今年に入ってロッテのエースナンバーを背負った男がまたこの世を去った。

ご冥福をお祈りします。
合掌



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2011年07月30日

   岩木山(1,625m) 2011年6月26日 曇のち晴
                    
  羽黒登山口06:48-嶽分岐(07:04)-07:19湯ノ沢別れ07:26-09:00スカイライン終点(8合目)09:20-10:00鳥の海上(リフトからの道合流点)10:10-10:43岩木山頂11:40-12:00鳳鳴ヒュッテ(種蒔苗代近くへ往復)12:30-12:45リフト乗り場

DSC_0004
 岩木山へは3回目の挑戦。過去の2回とは・・・・

1回目:台風接近のため、観光旅行に変更

2回目:車とリフトで9合目からのラクラク登頂


              だった。

  最初に来た時、泊った百沢温泉の目の前にある「岩木山神社」からの登山口を確認して、いつかはここから登ろうと思っていた。


 なので、今回はその百沢コースを辿る予定だった。

…のだが、出発前日に帰りのバス時刻を見ると、予定をちょっとでもオーバーすると帰りの新幹線に間に合わないことが判明。当初の道のほうが雪渓あり、池ありの楽しいコースでお花畑もあるのだが断念
結局嶽温泉から登ることにした。



  前泊した民宿は嶽の温泉街の少し先。

  宿の方DSC_0013に聞くとすぐそばに登山口があり、そこからしばらく行くと嶽温泉からの道と合流するという。

  民宿から県道をほんの少し嶽温泉方向に戻ると「羽黒登山口」の標識があった。

牧場への進入路のような道、畑と何棟かの別荘?の間を抜けていく。DSC_0021
今朝は曇っていて山頂は見えないが、その分日差しもなくて歩きやすい。

ゆるい傾斜を登っていくと、ほどなく嶽からの道を併せる。

まだこのあたり、道はかなり広くて歩きやすい。

  まもなくDSC_0020「湯ノ沢別れ」という分岐点、ここでちょっと一服。
 十字路になっていてこの先からやっと山道っぽい雰囲気になってくる。
DSC_0022
 東北らしい、ブナの原生林の中を新緑を愛でながら歩いていく。 思えば今年は山陰から始まって山梨~奥多摩~東北と、新緑前線を北上したことになる。(秋には逆に紅葉前線を南下してみたい)




   30分ほどで「巨木の森」への分かれ道。そこはスカイラインのそばにあってイベントなどが実施される場所だそう。その先で大きく右折。

  いよいよ登山道らしくなってくる。
DSC_0026DSC_0030 
 道も狭くなり、勾配も増してくる。相変わらずブナは見事だがだんだんダケカンバが入り混じってきて山ムード。

  登ってきた方向を振り返ると白神山地が美しい。



DSC_0031
  一旦東方向に迂回した道は大きくカーブして北を向いていく。階段なども現れ標高を稼ぐ。ジグザグの道をずんずん登って行くが、道端の花々が美しい。
DSC_0032
DSC_0037 派手ではないが(まるで東北人の人柄のように)ひっそりと咲いていDSC_0038る。

 

DSC_0055

  お花畑で有名な山とは違う、質素で可憐な演出だ。

 ここら辺から少しずつ息が切れてきた。例によって?カミサンはさっさと登っていく。
オッサンはといえば、写真撮影を口実に、時々休みながらののんびり山行。

DSC_0058  
DSC_0059

   このあたりまで来るとダケカンバの枝も横に伸びていて冬の雪深さを思わせる。

 そのままずんずん登りっていくと人の声が聞こえてくる。

 リフトの施設が見えてきた。
駐車場には大勢の人々がいる。ロードレースのゴールに参加者のご家族?などがヴィデオカメラを持って待ち構えていた。昨夜、同宿した方たちのゴールを祝福したい気持ちもあったがそこで20分ほどゆっくりしたのち、さすがにそれを待つわけにもいかずまたまた登りだす。


  リフトの脇の樹林を上っていくと10分ほどして下から拍手が聞こえてきた。

 ・・・ああ、たぶん優勝者のゴールだな・・・・と、思いつつ、こちらは先に歩を進める。DSC_0060

 そのまま歩いていくと後ろから小刻みな足音が......

  振り返ると、
ゼッケンつけた青年が走ってきた。

 <えー、これってバイアスロンなの---?  すごーーい>
と、思いつつ
DSC_0097「がんばって!」  と声援。
(その後1時間もたたないうちに降りてきた彼と遭遇。 凄い、凄すぎる!
  でも後にも先にも出会ったのは彼一人だけ・・・トレーニングなの?)
    こちらはリDSC_0070フトからの道と合流した後で、休憩。


 ここまできたらもうすぐ頂上。
きつい登りを繰り返し・・・・・・
DSC_0071
やっと着いた!

DSC_0080


         山頂はスカイライン不通にもかかわらず結構な人数。

 DSC_0086 東には八甲田の山並みが控えているし。北に目をやれば(前回も見えた)北海道、うっすらと見える島はもしかして奥尻?
DSC_0087

  と、ゆっくり景色を満喫。

 復路もそのまま来た道を戻る。
鳳鳴ヒュッテで一服。(ここは昭和39年に大館鳳鳴高校山岳部生徒(4人)が厳冬の岩木山に百沢コースから登頂、下山中に猛吹雪のため遭難した後に作られた避難小屋)

さて。そこからは当初登る予定だった百沢コースのほうへちょっと寄り道。

なぜかといえば・・・・・・・・・・

この時期しか出会えないこの花が見たかったから...........

DSC_0098

 
  そう、「ミチノクコザクラ」です。
ヒュッテから種蒔苗代へ下っていったのだが5分ほどでもう出会えたのだ。

    感激

サクラソウの仲間だそうだが、北アで見られる「ハクサンコザクラ」の亜種。

DSC_0093  これが見られただけで大満足。

 あとはもう、いい。

 っとばかりに山を降り、帰りはリフトで8合目まで・・・

  満足感いっぱいで下界に降りていくオッサンであった。



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2011年07月26日

 新青森へGO! (2011年6月25-26日)                    

iwakisan (4) 
回の「オトキュウ」設定日に乗れなかった青森までの新幹線。
 震災の影響でまだまだ通常ダイヤではないが今度こそ乗ってやろうと思っていた。
でもそれは”帰り”にして、行きは「あけぼの」で弘前まで行って土曜日に山に登ろうという計画。
だが...変わらず始動の遅いオッサン、行き先を決めたのは2週間前。iwakisan (2)
寝台は満席だった(´Д⊂)ため、結局往復新幹線を使うことに・・・・
となると、必然的に山には日曜に登ることになる。

   なので、ちょっと遅めの出発(はやて123号・東京駅9:56)となった。


P6250004

P6250003 

  仙台を過ぎたあたりで昼飯の駅弁購入。
(オッサンはいつもの牛タン弁当、同居人は「仙台だより」という幕の内)


  
  八戸からは初乗車区間に入る。わかってはいたがトンネルが多い。
    (八戸から青森まで強引に直線に近いルートにしたので当たり前なのだ)
  どこかで八甲田が車窓に現れるかと思ったが見えなかった。
    (進行方向左側の座席にいたのだが、新青森の手前で反対側に見えることは帰りに発見した。)
iwakisan (8)
  新青森到着は14時33分。
昨年春に在来線で通過した時にはすでに外観はほぼ出来上がっていたが、当然降りるのは初めて。
  (まあ、最近どこにでもある個性のない高架駅です)

  まずはレンタカーを借り、以前から行きたいと思っていた「たらポッキ温泉」へ直行。

  何度か列車で通過していた鶴ヶ坂駅の近く。
「たらポッキ」という、珍味を製造している会社が経営している温泉なのでこの名前がついた。
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P6250008        土曜日の昼過ぎとあって結構な混雑ぶりだ(というわけで湯船写真は無し)。
iwakisan (12)  もちろん期待しただけあって湯は極上。肌にまとわりつくようなヌルヌル感が堪らない。
  掛け流される湯量もかなりのもので湯船の縁からドバドバとあふれ出ている。

  浴室にはこの温泉の由来を記した表示(新聞紙面の写し)があり、意外に?歴史ある温泉だそう。
以前は鶴ヶ坂温泉という湯治場だったそうだが、一旦廃れたあとこの食品会社が工業用水のためのボーリングをした際に湧き出たという。

  フロント前には製品も並んでいて、この「たらポッキ」なるものを買おうと思っていたのだが、なぜか買いそびれてしまった。(また、来いということか・・・・)

  期待にたがはぬ湯を堪能した後は一路今宵の宿へ向かう。
P6250012
P6250017
 鶴ヶ坂駅の先の道路の脇に無造作にねぶたが置かれていた。
屋根もなく周りを囲むでもないまったく無防備な状態。(これはただのレプリカなのだろうか?)

  R7→R101を経て県道35号で板柳の街へ入る。ここも温泉で有名なところだが、結構大きな町だ。

  ここで五能線の踏切を渡り南下していく。途中の橋には立派なリンゴP6250022のオブジェがあP6250024る。田圃の中の道をどんどん走っていく。「りんごまるかじり条例制定の街・板柳」との看板がなんか楽しかった。


         この辺りまで来るともう岩木山が大きい。

     どこから見ても、何度見てもいい姿の「おいわきやま」。古くからご神体として崇められP6250031ているのも頷ける。

    しばらく南下した後で西に折れ、岩木山環状道路に突きあたる。ここからは何度か走った道。
    百沢の交差点から鰺ヶ沢街道に入ると間もなく右手には岩木山神社、反対側には以前宿泊した百沢温泉富士見荘がある。正面が土産物屋になっている旅館だが、ここの湯もとてもいい温泉だった。
そのまま走っていくと・・・・

                         『26日はイベントの為、12時まで岩木山スカイライン通行止め』

  との表示が目に入った。

   一瞬焦ったが、なんのことはない。こちとら歩いて行くんだから関係ないし、むしろ山が空いてていいかも・・・
と考えつつ嶽の温泉街をパスしてしばらく行ったところが今夜お世話になる「民宿 じょっぱり」。
DSC_0010
  ところで今回、宿を決めたのは旅行前日。最初あたりをつけた旅館は満室だったが、2軒目の問い合わせで「じょっぱり」さんに空き室があったのはラッキーだった。(温泉もよさそうだし、懐にもやさしい)

  16時、宿到着。P6250035

   きさくな感じの奥さんに迎えられ、部屋へ入る。
「おー、結構広い」
ロッジ風の部屋で、奥にはすでに布団が敷かれている。
窓の向こうには岩木山。
「う――ん、なかなかいいじゃない」

iwakisan (16)  で、何はさておき露天風呂へ直行。
露天は母屋の外に拵えられた湯小屋にある。
iwakisan (17)
 P6250038 








   木の床の真ん中に2-3人分くらいの広さの湯船が鎮座。
湯船そのものはポリだが木組みの縁が自然な感じを演出している。
   南面が開放されていて、湯船の先には草地が広がるだけ。
その先にはうっすら白神山地の端っこが見える。

 
  ちょっと黄緑がかった透明感あるお湯も新鮮だ。
  そして何よりこの解放感が素晴らしい。
のんびりと夕方のひと風呂を浴びさせてもらった。



P6250050
  内湯もいい。源泉は同じとのことだが、こちらの湯の色はちょっと濃い感じ。
(光線の違いからかもしれませんが・・・・)
もちろん掛け流しで周りには温泉成分がびっしり。
  湯船はそんなに広くはないがこの規模の民宿であれば充分だろう。
よくあったまるいい湯だった。

     夕食も2食付き6,500円とは思えないほど。
P6250052P6250053P6250054  ところでこの日の宿泊客は我々のほか2組。
ご夫婦のかたと男性一人だったが、聞くと明日のイベントに参加する方達だった。

  そのイベントというのが自転車でスカイラインを上り詰めるという、
考えただけでも恐ろしい?レース。後で調べたら
「チャレンジヒルクライム岩木山」
っていうらしい。

  ヒルクライム?あの坂を登るのに丘登りとは・・・・
(8合目まででも標高差は800mはあるはず)
聴くと300人位が出場するらしい。
 (そんなイベントがあるとは露知らず、前日予約で宿を取るとはなんと無謀だったことか・・・)

 「あの坂、自転車で上っていくの??すごいですねえ」
というと、あちら様は
 「いや、歩いて上まで登るほうがすごい」
とのお答え。
 (いえいえ、とんでもない。だってこちとらレースでも何でもない。
ひたすら歩くだけなんだから)

    で、奥さんが明日の朝食の時間を聞きに来た時、
P6260060お一人の方が
  「6時でいいですか?」
と聞いてくれた。もちろんこちらも早いに越したことはない。
そんなわけで、翌朝も3組揃って朝6時からの朝食とあいなった。

そして、お互いの健闘を祈りながらそれぞれ出発。


     <登山の様子は「登山編」をどうぞ>

DSC_0116
    8合目からの下りはバス利用。
スカイライン入口で下車すると5分もかからず今朝出た民宿へ。
  お言葉に甘えて、山から下りてきてからも汗を流させてもらい感謝!
降りてすぐにひと風呂浴びられるなんて、最高だ。

  最初はここで風呂に入ることは想定していなかったので、百沢周辺のまだ行ったことのない湯につかろうかと思っていたのだ。

  身も心もさっぱりして・・・・・・
後は新青森まで戻るだけだが、当然時間の許す限りの「最後の一浴」は考えていた。
ならば、となるべく駅に近いところに出撃じゃ!

  と、たどり着いたのがここ。
DSC_0120
  浪岡町の珍しい(なんか仏教っぽい)名前の温泉。
DSC_0121首都圏近くの温泉によくあるようなコーヒー色のお湯だ。
こちらも源泉掛け流しで湯量も多い。
見た目よりはずっとさらさらのお湯で、まさに最後の一浴にふさわしい。
時間の関係で、
のーーーんびり♨ とはいかなかったが、それでも充分楽しませてもらった。




  新青森に着いたのは出発の40分ほど前。
構内にある土産ものセンターは大賑わいだった。
こちら側は太平洋側に比べれば被害は少なかっただろうが、それでも「けっぱれ東北」ですね。
P6260131P6260132
   最後は小腹が空いたので「黒石やきそば」&「つゆやきそば」を(当然+生ビ)食べてから、
はやて138号に乗り込んだオッサンたちであった。


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2011年07月18日

 三頭山(1.531m)   2011年6月4日(晴れ)
都民の森09:45-鞘口峠(10:04)-10:30分岐点(見晴らし小屋?)10:35-11:05三頭山11:20-11:30避難小屋(昼飯)12:10-13:00 槙寄山13:15-14:10蛇の湯

20110604mitou (11)   温泉でまったりを繰り返しているうちに6月に突入。今年は山モードへの切り替えが遅くなった。
で、とりあえずは近場の奥多摩へ・・・

  奥多摩三山のひとつ三頭山。頂上へのコースはいくつもあるが、選んだのは例によって一番楽な「都民の森」からの道。

  土日は武蔵五日市の駅から直通のバスが出ているのだが、駅を降りるとバス停前にはもうかなりの人の列。
(それも予想して早めに出てきたつもりなのだが・・・・)

  係りの方が人数を確認してくれて、僕のすぐ前の方々が2号車の先頭になった。(これで1時間ゆっくり座っていける!ラッキー
バスが来るとその人数とは着席可能な数。
つまり、座席数を考慮して先に並んでいた人たちを座れる人数だけ優先的に乗車させるというシステムでした。(なるほど、よく考えています)

          と、いうことで1時間バスに揺られて「都民の森」到着。

20110604mitou (2)20110604mitou (3)ここはもう980m、山頂まで600mもない標高差。まあ今年の幕開けとしてはこんなもんかも・・・

沢沿いの舗装道を進んで少し行くと右に橋がありそこに「←鞘口20110604mitou (4)峠」の道標。
  





20110604mitou (5)   ここから普通の登山道に入るが、しばらくは先ほどまでの舗装道と平行に歩いていく。
   森林館の脇が「都民の森遊歩道」との別れ。ここから20110604mitou (6)峠までは尾根への取り付きとなりしばらく急な坂が続く。
汗をかきつつ約15分登ると「鞘口峠」だ。展望はそれほどないが一休みできるテラスがあり、一服するにはいい場所だ。が、この日は日差しが強く水を一口飲んだだけで通過。
尾根道を山頂目指して歩いていく。


  20110604mitou (8)このあたりはブナの道というらしく、周りはブナ林。
でも東北の山のようなうっそうとした感じはなく、ミズナラやカエデ、つつじなどが混じった雑木林だ。
そんな新緑の中を歩いていくのは楽しい。

  20110604mitou (9)途中、遊歩道との合流点で一服。暑いし久しぶりなので結構疲れる。
(ここ数年は、カミサンのペースについていけないことが多い。敵がシェイプアップしたせいか、はたまたこちらの体力減退か・・・いずれにしてもちょいと情けないのだが)

その先、コースは二手に分かれるが面白そうなので「岩場コース」を行ってみた。
(冬は進入禁止、熟練者向けと書いてある)
が、どこが岩?ってな感じであっという間にもうひとつの道と合流した。
でも、途中奥多摩湖も見えていい道だったが・・・・・

で、先ほどの休憩地点から30分ほどで小さな広場になったような場所に到着。
そこが山頂だった。(東峰にもよろうかと思っていたのだが、気づかず通り過ぎてしまったようだ)
20110604mitou (10)
20110604mitou (13)とりあえず登頂ということでザックを降ろし、一服。
と、なにやら広場の南西側がにぎやか。行ってみると
「おー、見事な富士山」
ちょっとかすんではいるが、肉眼でははっきりと霊峰が見える。その手前は三つ峠だろうか。
  思わず皆さんと同じように写真をパチリパチリ。

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  20110604mitou (19) 





20110604mitou (16)
 それほど広くない山頂にかなりの人数がいるので、昼飯は山頂から少し下った避難小屋の前で。

ここからも富士の眺めがすばらしい。まだ新しい小屋はきれいなトイレも完備されていた。




20110604mitou (20)20110604mitou (21)





   
   そこからは樹林の中登ったり降りたりを繰り返す、典型的な尾根道だ。

  大沢山のピークを越えると造林された杉林になる。その先では左右に笹が目立つ道となり、「笹尾根」と呼ばれるにふさわしい道となってくる。

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      そんな感じになってくるとまもなく「槙寄山」だ。
ここでも多くの人たちが休んでいた。
南西側の眺めがすばらしい。山梨県側の尾根の向こうにここでも富士山がみえる。


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僕らもゆっくり休んだ後、北に折れ数馬の集落を目指す。
ここからはほぼ下り一方の道。
ちょっとじめじめしてはいるが陽が当たらない分、涼しく感じられる。
整備された杉林の中の道をずんずん下ると不意に集落に出た。




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   畑や花壇に咲く花を見ながら舗装された道をなおも下っていく。

このあたりの民家は立派な造作の家が目立つ。
(産業といえば林業か養蚕くらいしか思い浮かばないが、それなりに収入があるのだろうか)20110604mitou (42)

  しばらく下ると川にぶつかる。ここを上流に行くと「雨乞いの滝」といのがあるそうで、その標識があったが、もうすでに「温泉・ビール」モードに入っていたオッサン、そいつはパスして川沿いの道を下っていった。

20110604mitou (43)
20110604mitou (44)
到着したのは”蛇の湯温泉”。
一軒宿の「たから荘」は300年以上の歴史あるかぶと造りの由緒ある建物だ。


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   そしてこの硫黄泉は鉱泉沸かし湯ながら新鮮ないい湯。湯船の先は南秋川の清流が流れている。20110604mitou (52)


   ちょっと昔の笛吹川一の瀬館の風呂を思い出す。(あちらはこんな大きな湯船ではありませんでしたが)


20110604mitou (54)

20110604mitou (55)







もちろん、湯を満喫した後はビールで乾杯。
今年最初の山は、のんびりゆっくりの足慣らしだった。



蛇の湯温泉 たから荘 (硫黄泉)
入浴料 1,000円
東京都西多摩郡檜原村2465  
042--598-6001


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2011年07月06日

  1105早川 (37)
 出雲から帰った翌週には、奈良田温泉・白根館へ出向いた。
実は4月の中旬に行く予定で予約してあったのだが、風邪をひいたためやむなくキャンセル。その際にこの日に予約を振り替えてもらったのだった。
  が・・・・・ここは普通ではなかなか土曜日の予約は取れない宿。
  やはりまだまだ世の中、自粛ムードなのだろうか・・・・

 例によって中央高速の渋滞に辟易しながらも大月からはスイスイ。甲府盆地に入ると南アルプスの白い山並みがすばらしい。

   中部横断道を増穂ICで降りR52、富士川沿いの道を南下する。このあたりも温泉の宝庫、次々と立ち寄り出来る温泉の標識が現れる。ちょっと寄ってみたいがそれは我慢、早川町目指して車を走らせた。

1105早川 (1)  40分ほどで早川への分岐、西へ進路をとり川沿いの県道へ入る。ここでまず行きたかったのが「赤沢宿」。以前に誰かの本で知ったのだったが、日蓮宗の総本山・久1105早川 (8)遠寺と修行の山七面山をつなぐ巡礼の道「身延往還」の宿場だった場所だ1105早川 (3)

  

                     県道から山道に入り約10分、斜面に数十軒の集落がある。まず目に付くのが「江戸屋旅館」。江戸屋昔ながらの土蔵に屋号の文字が美しい。

1105早川 (2)   車を集会所の脇に止め散策を開始すると、いきなりほら貝?の音とともに講の方たちの行列に遭遇。

  月山でもお見かけしたが、白装束をまとった人たちが七面目指して歩いていく。
            うーん、こんな風に伝統が受け継がれているのだろ1105早川 (7)う。
1105早川 (12)
  赤沢の家並みは宿場町だったらしい佇まい。先ほど通った「江戸屋旅館」から少し下ったところには「大坂屋旅館」もある。関東だけでなく全国各地からの鑑札が飾られていてすばらしい。

1105早川 (6) 昔は30軒ほどの宿屋があったというが、今では営業している家はない。

1105早川 (5)   

    それでも小さな集落ながら気品に満ちた家並みだ。お茶の栽培もされていて、やはり静岡に近いことがうかがえる。


1105早川 (9)
  ぶらぶら歩いていたら腹が減ってきた。時計をみるとちょうど昼飯時だ。

1105早川 (14)   集落の真ん中あたりにある「武蔵屋」でそばを頂いた。ここは地元のおばちゃんたちがやっているという、素朴なお店。手打ちのそばと小鉢のセット(これで600円)がおいしかった。特にこの季節ならではのたけのこがうまかった。



 汗をかいた後は、奈良田へ向かう道沿いにある「草塩温泉」へ車を走らせた。1105早川 (15)
名前が”草津”と”塩原”のハーフなんでおもしろそう(勝手な感想ですね)。

 入浴料(500円)を払って湯船へ直行。貸しきり状態の風呂は町営の温泉施設らしく、循環ではあったが大きな湯船(こちらはジェットもあって塩素臭むんむんでした)と小さな湯船が並んでいて、この小さいほうは源泉もそれなりに投入されているようでいい湯感。

   事務所の奥では皆さんが葱刻みの真っ最中。(何かイベントでもあるのか・・・・わかりませんでしたが棟続きの隣はお寿司屋さんになっていて、温泉の受付もしてくれた大将もいい感じのお人柄でした。)

温泉でさっぱりした後は宿へ向かう。途中「中央構造線」の表示もあり これがフォッサマグナかと思いつつ(本当は全くの別物ですね)、で何が?という感じだったが日本列島の「背骨」を通過した。
1105早川 (17) 2時過ぎには宿に到着。

   
ここは1時からチェックインが可能なのですでに到着しているお客さんもいたが、とりあえず部屋で一服の後は近くの「1105早川 (16)南アルプス山岳写真館(白籏史朗記念館)」へ向かう。
  途中には「板葺石置き屋根の民家一棟」の保存もありこれはこれで興味深い。

1105早川 (18)
  南アルプスといえば白籏さんを思い浮かべるのは子供の頃、切手収集が楽しみでその中の国立公園シリーズでの図柄が印象に残っていたから・・・・・氏の作品を展示する記念館は多くの場所にあるがやはり一番のフィールドである南アルプスの麓のこの場所がふさわしい。

  本当はここには白峰三山を縦走して降りてきたかったのだが、それを待っているといつのことになるかわからない(笑)。でもまた南アには行きたいと思った。

  すばらしい写真を鑑賞した後はお隣の「早川町歴史民俗資料館」へ。
  (国内外を問わず旅先でこういう施設には必ず立ち寄るのだが)ここでおもしろかったのは「山の生活」。
  雪が解けると家族全員で山に入り、小さな小屋を拠点に狩猟や山菜とりなどで1ヶ月ほど暮らしていたという昔の人の生き方がリアルに展示されている。
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    奈良田の語源はその昔、女帝・考謙天皇が健康回復のために奈良の都から訪れたことからだったという説もここで教わった。また、この集落の方たちの言葉は周りとは違っていたともいう。やはり歴史と文化いうものは奥深い。

呆けた頭に久々学習させた後は宿に戻り、待望の温泉。(また、ネジ逆戻り?)
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1105早川 (26) 男女それぞれに内湯と露天が配され、やはり時間交代で入浴できる。
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  浸かった瞬間、「全然違ーう!」と思ってしまった。こう言っては失礼だがちょっと前にお邪魔した草塩温泉とは大違い!お湯が身体にまとわりつくような感覚だ。当然1105早川 (35)かけ流しで新鮮だし、成分も濃いのだろう。

多くの人がこの温泉を目指してくるだけある、極上の湯だった。

露天風呂からは近くの山並みや早川の流れも見ることができる。
翌朝まで何回も堪能させていただいた。

食事は山の幸メインのこんな感じ(まだまだありましたが)。

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どれもうまかったが、ここでも!

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こいつははずせないですね。




 

 
        一夜あけた日曜日。今日も晴天、麗しい。

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  宿を出てからは、まずはもうひとつ温泉「西山温泉・湯島の湯」へ・・・


かけ流しながら露天だけの湯船。
(西山温泉には有名な「慶雲閣」もあるが、立ち寄りはNGとのこと。)

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1105早川 (43)ここのお湯もちょっと白根館の湯に似た、いい感じの湯だった。

1105早川 (44)そしてすばらしいのがここのロケーション。

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  露天の先は早川の流れがすがすがしい。
周りの木々も新緑が美しく、うっとりする。
ビニールの囲いはちょっと興ざめだが気持ちよい湯浴みを満喫した。

さて、こちらに来て見てみたいと思ったのが「見神の滝」なのだが・・・・・・
そこに行く間にまずは郷土の物産店へ・・・・
そしてその後、立ち寄ったのがギャラリー・オゴン」。
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アフリカンチックな木の彫刻がすばらしいギャラリーだ。
ここの主、渕上照生さんの彫刻はそれぞれの作品に生命力が溢れている。
いろいろお話を伺ったがやはりこの早川で育った、オノオレカンバの材料(樺の一種?)がいいという。
確かに硬く、工作は難しそうだがつやもあって美しい。

 さすがに彫刻には手が届かないが川原の流木で作ったハンガーが面白く、そいつを購入。(流木ハンガー制作のワークショップも時には催すらしいです)  
 奥さん?の金井君恵さんはガラス工芸をやっていてその作品も展示されている。(またもや)ネックレスにする作品を購入するカミサンだがその間に金井さんが戻ってきてチェーン止めなどをやっていただいた。

御両名としばし世間話。
とにかく木々の緑が目の保養になったことなどを言うと、
この辺り(奈良田温泉からはだいぶ下ってくる)ではもう、新緑の時期は過ぎて
葉っぱもかなり色濃くなってきたという。
(僕らにとってはそれでも素晴らしい緑だが・・・・)

  その日は朝のうち野鳥ウォッチングのイベントが行われていたそうで、隣の部屋で鳥の写真を拝見。
僕らも山では鳥の声は数々聞くのだが、めったに会えることはない。
写真を撮っている方々のいろいろな苦労話?なども聞かせていただいて楽しかった。

  「見神の滝」はここから30分ほど、ダム湖を過ぎて山に分け入ったところにある。
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   林道がこの先は通行止となっている。ここから先は静岡県の井川に続いているらしい。
いつか通ってみたい道だ。

滝は春の雪解け水を流していた。ここでもまわりの緑が鮮やかで本当に気持ちがいい。

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 ダムが出来る前は沢沿いにあった村も今ではなくなった。
1105早川 (55)でも高台にはここにも茶畑などもあって普段の営みが行われている。
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  ダムのそばには昔、学校だったという施設の「ヴィラ雨畑」がある。まずはそこで昼飯。
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このラーメンが結構いけた。
叉焼の替わりか、豆腐がのっている。
(ここの豆腐料理コースもおいしそうなのですが、予約制ということです)
1105早川 (57)さっぱりした、東京風ラーメンだ。
   (肉うどんもおいしかったらしいです)


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「後で、温泉浸らせてもらいます」と言って。教えてもらったのがこの吊橋。
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その後はヴィラ雨畑のすぐ前にある硯の資料館、「硯匠庵」を見学。


   係りの方がとても親切に案内してくれ、雨畑硯の素晴らしさを教えていただいた。
このあたりはいい粘板岩の産地だそうで本場中国の書道家も一目置くそう。

   工場では職人さんの仕事ぶりを見て硯造りの工程から、名作の硯の鑑賞?まで楽しいひと時を過ごさせてもらった。
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   また、この建物も素晴らしく、そんな話をしたら
「早川町にまだお金があったころに作ったからね」
とのこと。まだまだ交付金が多かった時代のことだろうか・・・・









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  で、恒例の最後の一浴。
ここまで来たら下部温泉にも行ってみたかったが、今回は
道をはさんだ先ほどのVilla雨畑にある、「すず里の湯」へ...

食堂の奥にちょっとおしゃれな外観の湯小屋がある。

14度の鉱泉を加温し利用。
そのため、循環は仕方ないのかもしれないが、
ここも小さな湯船にはいい湯が溢れている。

1105早川 (67)1105早川 (68)女湯には露天もあったようで、それもすがすがしそうだった。






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  まだまだ他にも行きたい場所はあったが、
 ”新緑に包まれた、山梨県早川町”
     まさにワンダーランドだった。

date:2011.05.14 -15
◆赤沢宿 そば処武蔵屋
土日・祝日のみの営業 11:00~15:00 (冬季休業)
0556-45-3117

◆草塩温泉 (含重曹弱食塩泉
入浴料 500円   10:00~19:00
山梨県南巨摩郡早川町草塩321-1 
0556--45-2507

◆南アルプス山岳写真館 白簱史郎記念館
 (共通=早川町歴史民俗資料館)
入場料 500円   10:00(土日祝 9:00)~16:30
山梨県南巨摩郡早川町奈良田486 
0556--48-2552

◆奈良田温泉 白根館 (含硫黄・ナトリウム・塩化物泉)
山梨県南巨摩郡早川町奈良田344  
0556--48-2711

◆西山温泉湯島の湯 (カルシウム・ナトリウム・硫酸塩泉)
入浴料 500円   10:00~18:00
山梨県南巨摩郡早川町高住758
0556--45-2511

◆ギャラー オゴン
山梨県南巨摩郡早川町町保1525
0556--45-2770

◆VILLA 雨畑
山梨県南巨摩郡早川町雨畑699
0556--45-2213 
  
  ・硯里の湯 (単純硫黄泉)
  入浴料 500円   10:00~19:00

◆硯匠庵
硯学料 200円
山梨県南巨摩郡早川町雨畑701-1
0556--45-2110


mackkmackk55 at 01:14│コメント(2)トラックバック(0) |