ループ＆スイッチバックで鹿児島へ　　　　2015年 5月 3日（雨）

   翌日は朝から雨。それでもまずは貸切の家族風呂（ちょうど大人二人が入れる位の大きさ）に浸かり、雨の庭を見ながら地のもの中心のおいしい朝食を頂く。

　　




    旅館を出てからはその雨の中、歩いて5分くらいと教えられた国宝「青井阿蘇神社」へと向かう。
　　宿の方の話では福岡からこの日ここで結婚式を挙げるために来たお二人が昨夜同宿していたとのこと。地元の方は勿論、年に何回かは遠方からもこちらで式を挙げるためにいらっしゃるらしい。　
　　

　　　それだけ素晴らしい、という国宝の神社だが雨脚は次第に強くなるばかりなのが残念。　　　そして大鳥居のすぐ右手にあるのがこの、「おがたまの木」。　うーーん、確かに一円玉だ。
　　

　　　　　　　　見事な楼門をくぐると大きな拝殿があり、その先にもいくつかの社殿が続いている。それぞれ慶長時代（1600年代）に造営されたものだそうで、建築的にも貴重らしい。　　雨の中でも多くの老若男女がお参りしていた。　　　　　こちらは「神楠」、樹齢はどのくらいなんだろうか。

　　　
　　　　いかに不信心なオッサンでも少しは荘厳な気持ちになって御社をあとにし、昨日降りた駅へ戻る。
　ホームには既にこれから乗る列車「いさぶろう」号が入線、待機していた。

  早速乗り込み、しばし車内を探検、想像通りのシックな内装に出発前からうっとりする。
キハ40系の改造車だがほとんど新装車のよう。

　　ホームには立ち売りのおじさんもいて旅情をかきたてられる。（駅弁を購入したことはいうまでもない）　
 
　　「いさぶろう」は吉松までの4駅、35キロメートルを1時間以上かけて進んでいく。昨日乗った川線と対比されて山線と呼ばれる、険しい峠越え。ということもあるが要所で徐行したりちょっと停車時間があったりという観光列車ダイヤなのだ。
　人吉を出るとまもなく球磨川を渡る。ここからはだんだん人家もまばらになり切通の中を山へ分け入っていく。

　　　あえぎながら山の中を進んでいくとやがて少し開けた場所にでる。
　そこが最初の駅「大畑（おこば）」。
　言うまでもない、ループ中のスイッチバック駅。
　雨のため視界がイマイチで残念だったがここに来れただけで嬉しい。（鉄道好きなんて単純なものである）

　　全く解りにくい写真だが、時間順に並べると、こう。





　（左から2番目の写真には駅に入る前に通ったレールが樹木の向こうにかすかに見える。その隣はループの上からの大畑駅）

　　ループを回りきって、しばらく高原を進むと矢岳駅に到着。



　　

　標高536.9mの肥薩線最高所駅だ。



　







　　　　　　　この駅にはSL展示館もあり、ちょっとの時間だが見学できる。
　このD51170、HPで調べたら1939年生まれで最後はこの路線で頑張ってた機関車だった・・・（側板の「人」は人吉機関区のことらしい）


　　さて、そうそうのんびりとSLと対面する暇はなく、車掌さん（というかアテンダントさんですね）から出発の呼び出し？がかかる。
　　
　　矢岳駅を出発するとすぐに「いさぶろう・しんぺい号」の名前の由来となった二人の偉人の扁額（アナウンスはあったが車窓からはみるすべはなかった）が飾られている「矢岳第一トンネル」。トンネルを抜けると、日本三大車窓のひとつとされる「矢岳越え」で、“霧島連山とえびの高原の雄大な景色が望めます。 天気が良ければ桜島、さらには開聞岳まで望むことができます“　というアナウンスも、この雨に“その車窓はモニターでご覧下さい”・・・だって。
     霧の向こうの車窓を想像しながら再びスイッチバックが楽しめる、真幸駅（沿線で唯一宮崎県にある）に到着。　この駅でもしばらく停車のため下車、地元の方が作ったお弁当（２５０円！）を購入。
　　
　名物の鐘も体験・・・・・しかしながら再び雨脚が強くなってきた。

　
　　　　吉松での乗り換え時間は3分だけ。ここからは特急「はやとの風」で鹿児島中央へ向かう。こちらも種車はキハ40系だが、黒光しする車体には特急らしい風格があるし、内装もちょっとゴージャス？・・


　鹿児島湾に向かってゆっくり降りていく、のだが・・その間にはこれも有名な大隅横川、嘉例川という100年を越えた駅舎がある駅を通っていく。
　
　　
 

       
         嘉例川駅には随分前、山の帰りに車で立ち寄ったことがあった。


　当時の名物駅長さんと記念写真を撮らせてもらったのを思い出す。

　　　駅の様子は当時と同じ、ここは鹿児島空港からも近いのだがわざわざ寄る人はそうそうはいないのだろうか。





　　列車の名前にもなっている隼人からは日豊本線に入る。ここからはほぼ海沿いに鹿児島中央を目指して西進。
　　車窓からは霞んでいるが桜島も見えてくる。
　　　　
　　南国の海とともに列車は走っていく。



　　
　　並行する国道の自動車が増えてきて、
渋滞すら眼にするようになるとまもなく終着鹿児島中央だ。
　　ここまで3時間弱の鉄路、短いようでも内容は充実したいい旅路だった。

　　　
<2日目　経路>  
人吉10:09-いさぶろう1号-11:22 吉松 11:25-特急はやとの風1号-12:40 鹿児島中央




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