2011年12月12日

     <3日目 その2> 史跡尾去沢鉱山 と花輪線全通80周年号

hatimantai  (401) 駅前では花輪線80周年関連なのだろうか、何かイベントが催されていた。
 
 でも、とりあえず観光案内所へ向かう。
 ここに相方が昨夜湯船でご一緒だった方がいるという。
 
 その際、「私、鹿角の観光案内所にいるから来てね」と言われたらしい。
 で、行ってみたら一瞬、???って反応(よい意味でお嬢さんっぽい感じ)だったが......
 すぐ思い出してくれたみたいで 「本当に来たんだ」って感じ。

 前から行ってみたかった尾去沢鉱山のことをお聞きすると、
 「ぜひ、”産業遺産のツアー”に行きなさい」
 と薦められた。もともと、その手のものは大好きなので事前に調査済みであったのだが、
 たしか、10人以上で予約しないとだめだったような・・・・・・

 でも、観光案内所で薦めるのだからやっているのかも。(ただしこの時間だと車で行くしかないとのことでした)

 その前に小腹を満たそうと、駅横の「きりたん舗」という店に入る。
 (当然、生ビール注文のあと)頼んだのが、PA100211
 PA100212「比内地鶏ラーメン(塩)」。
 どうせたいしたことはないだろうと思って注文したのだが、こいつが旨かった。
 あっさりしているのにコクのあるスープが、中細の麺にからんでいい味。バラ肉のチャーシューもいける。
 鹿角はきりたんぽ発祥の地、うまくても不思議はないのだがいい意味で期待を裏切ってくれた。
 そして、多くのお客さんが店の方にチラシを見せている。僕らが案内所でもらったヤツ。よく見ると観光案内のチラシにクーポンが付いていて、それぞれの店で1品(ここでは鹿角牛コロッケとのこと)もらえるらしい。
 帰り際に「これ持ち帰りもできるの?」と聞くと、
 「もちろん、大丈夫です」とのこと。
 「じゃあ、3時過ぎに来ますのでお願いします」 
 と、頼んでおいた。
 (帰りの車中でのアテにしようと言う魂胆)

 尾去沢鉱山は1200年以上の歴史を誇る銅鉱脈群採堀跡。もともとは金の採掘をしていた。その産金は東大寺の大仏や平泉の寺社の建築にも使われたという。 少し前までは「マインランド尾去沢」という名のテーマパーク?hatimantai  (402)だった。ご多聞にもれず第三セクターの経営が悪化しその運営を放棄したのだが、もともとここで採掘していた三菱がそのあとを引き継いでいるらしい。
  着いてみたら(予想はしてたが)閑散としていて、ほとんど人がいない。

  とりあえず受付で「産業遺産、見れる?」って聴いたら、やっぱりだめだった。
    まあ、そうかも・・と思っていたので、通常?の坑道見学のチケットを購入して坑内に入る。
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  照明がhatimantai  (405)あるとはいえ、中は写真を撮るには光量不足ですね。
  ここは岩盤がしっかりしているので元の坑道そのままの形で残すことができたらしい。
  しばらく進むと、なにやら団体さんのツアーに遭遇。係りの方がいらして詳しく解説してくれるので、それに便乗させてもらう。ここでは何層もの横坑があり、上下は昇降機で平面は蓄電式の機関車で鉱石を運んでいたという。言ってみれば6階hatimantai  (407)(だったかな?)建てのビルのようなものを山の中にこしらえて鉱石を掘り出していたらしい。 もうhatimantai  (408)産業としては成り立たないのだろうが、鉱脈の一部も見られる。
  hatimantai  (410)ところでこの解説をされている方、なかなかうまい。
  実際に発破をかけた様子や、当時の労働環境(労使協定により、その時代にしてはかなりいい待遇だったという)。また、足尾(古河)、別子(住友)との違い(あ、それは労務関係のことではありません)など、結構念を入れて話していた。(愛社精神旺盛な方だったのか・・・・そのたびに三菱を強調していましたから)

 でも、その労働環境もあくまで「三菱」社員の話で、「協力会社」に所属している人たちにはその恩恵は及ばなかった。(それは、今の時代にも通じる。原発がいい例だ。でも、そこまできちんと説明してくれたことには=当たり前かもしれないが=好感を持てた)

  途中の広い場所では坑道に日本酒を置いて熟成させていること、新居浜の神社の別院?(鉱山の守り神だという)があることなど興味深い話を聞かせてくれた。

hatimantai  (412)hatimantai  (414)  その後は、短縮コースを行く団体さんと分かれて奥の坑道に入っていった。
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 そのあたりには(佐渡金山みたいな)ちょっと興をそがれるマネキンなどがあったりもしたが、採鉱やその鉱石を運ぶ様子などを具体的に見られたのは興味深かった。

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   ここの標語が秀逸だった。
  「やめなさい  手順無視してまた作業  いつか地獄へ直滑降」
 
   そして再び団体さんたちに合流。近代鉱山以前の時代の場所、展示になる。江戸時代には「隠れキリシタン」の方々が身を隠すためもあり、ここで働いていたという。暗くてよく見えなかったのだが、坑道の隅に「クルス」があるらしい。このオッサンの先祖もそうだったということは祖母から聞いていたので、不思議な親しみを感じてしまった。トータル約50分くらいの坑道めぐりだったが、いろいろなことを考えさてくれる施設だった。
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 坑道から出て、受付で帰りのタクシーを呼んでもらう。待っていると先ほどの解説氏が来てくださり、昔は鉱山の上は禿げ山だったという話をはじめ、いろいろまた聞かせてもらった。(僕らが産業遺産のことをきいたこともご存知でした)

 
 hatimantai  (434) で、運転手さんに言ってくれたのがここで止まってくださいとのこと。
  (車窓からのショットで、あまりよく映ってはいないが)高さ60mの精錬所の煙突だ。
  ここからの排煙が禿山をつくったのだろう・・・・
  その運転手さんも、昔の様子<鉱山が稼動していたときの賑わいや、以前は朝鮮半島からの方たち(動員?)が多くいて、そんな文化もあったらしいとのことなど…>をいろいろ話してくれた。

hatimantai  (435)  戻ってきた鹿角花輪駅前には「ハチロク」の動輪が・・・
 
hatimantai  (437) 「花輪線全線開通80周年号」の運行を知ったのは旅に出る1週間前。仕事の帰りにみどりの窓口でダメモトで聞いたら指定が取れた。なんで、盛岡からの新幹線も当初の予定から1時間繰り下げて取ってもらった。(相変わらず泥縄のオッサンである)

 花輪線には何度か乗っているが、通しで乗ったのは一回だけ(今日は半分だけど)。もう、10年以上前だったか。...その前(中学時代)はSL撮影の名所として有名だったけれど、行かれるわけはなかった。
 
  この鉄道ができる前の様子が、田山花袋の「温泉めぐり」に友人の話としてある。
   「・・・・十和田を出て、小阪に来て、それから尾去沢から、夜通し歩いて、盛岡の方へと出て来ましたが、あの時は流石の僕も疲れましたよ。何しろ、夜っぴいて歩いて、また明日歩くんですから・・・・・・。しかし、あの路は面白い。ちょうど、岩手山の裏を通ってくるようになっているんですから」
  そんな道も、80年前からは数時間で通過できるようになったということだ。

hatimantai  (440)hatimantai  (441) 今回の車両はキハ58系改造車。なので昔の面影はないが、もう通常運転はしていない形式らしい。
 
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hatimantai  (457)  頂いたコロッケをアテに、(でも日本酒にはあわねえ!・・・なんていってもしょうがないか)「高清水」で一杯やりながら車窓を楽しむ。
  

  奥羽山脈の脊梁を越えていくあたり(ちょうど昨日歩いたあたりの北側になる)はいかにも東北らしい景色。

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  田山の駅から見えた、駅脇の住宅にある広告看板も懐かしいものだった。
 
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   行きにバスで立ち寄った大更の駅。
 まだこのあたりでは明るかったがこの列車、快速とは名ばかりでこれまでも待合せの停車時間が長い。 (臨時列車の宿命か・・・・まあ、それも鉄道ファンには楽しいのかも)
 hatimantai  (476)IGRとの合流駅「好摩」では盛岡行き普通、JRFの下り貨物(桃太郎だった)、もう一本の盛岡行きをやり過ごしてからの出発だった。hatimantai  (477)
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     でも、まあそれも含めて・・・・3連休をのんびりと過ごしたオッサンであった。


mackkmackk55 at 22:55│コメント(0) | 

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