2011年10月25日
一昨日の土曜日、「日経プラス」の温泉紹介を見ていたら長野県大鹿村の「鹿塩温泉」が載っていた。
大鹿村といえば塩見岳への玄関口でもあり、温泉ファンにとっても鹿塩の湯は一度は行ってみたいところです。
そこで、ふと思い浮かんだのが「大鹿村騒動記」。見たいと思いつつ見逃してました。
早速ネットで調べると都内では王子でまだやっていることが判明。
というわけで翌日曜日、見に行くことにしました。
王子へは我が家からバスで1本で行けます。休日の午前中とはいえ、車内は結構込んでいました。
環七をずっと北上するのですが、たまにはこういうプチ旅も楽しいもの。40分強乗って200円ポッキリというのも経済的です。
ちょうどいい時間に王子到着、早速映画館へと向かいます。
で、肝心の映画ですが・・・・
いきなり路線バスの車窓からはじまります。山々の紅葉がとっても美しくてちょうど今の季節を感じさせてくれます。終点で降りたのが主人公である風祭善(原田芳雄)の妻、貴子(大楠道代)と幼なじみの治(岸辺一徳)。二人は駆け落ちして村を出奔、何十年?か振りの帰郷です。
善が営む店の名は「ディア・イーター」、名前のとおり鹿料理の店です。(このネーミングに思わず笑っちゃいました)
それからは無形文化財「大鹿歌舞伎」を中心に、悲喜こもごもの人間ドラマが絡んでいく展開。
伝統の歌舞伎に打ち込む村の人々の生活にも時代の流れは打ち寄せてきて、過去と未来が錯綜する中で数々のエピソードが語られていきます。
平凡な表現ですが、本当に生き生きとしたヒューマンドラマでした。エンディングは清志郎の「太陽のあたる場所」(ここでも思わず泣けました)
脇を固める俳優も石橋蓮司、佐藤浩一、小倉一郎、小野武彦、松たか子、そして三国連太郎と超豪華!
主演の原田芳雄はその演技もさることながら、歌手としても憧れの人でした。この作品が遺作となってしまい本当に残念でなりません。
ご冥福をお祈りします。
ほろっと涙した後は、映画館の前の「お札と切手の博物館」を覗いてみました。
ここは国立印刷局の跡地を利用して作られた博物館です。お札や切手の歴史とさまざまな印刷方法、海外の事例の紹介に加えパスポートや印紙などのことなど興味深く見ることが出来ました。
10月にしてはは暑かったこの日、ちょいと小腹を満たすのにも冷たいビールがほしい・・・と「北とぴあ」1階にあるKirin Cityで。
昼間のビールでいい気分になったので、酔い覚ましに付近を散策。
オッサン、実は小学校4年まで「北区民」だったので土地勘はあります。
「名主の滝」も頭をよぎりましたがお手軽?な音無渓谷へ・・・
ここは石神井川が深い渓谷を刻んでいた場所で都会の中とは思えないくらい、緑豊かなところ。なんせ50年近いブランクがあったのでどんなかなあ、と思っていました。
「音無親水公園」として整備された現在、川の流れは人工的な放水になっていました。、節電ということで水の流れがなくてちょっと残念でしたが周りの木々は当時と同じように暑い日差しをさえぎってくれています。
子供のころを思い出しながらのんびりと散策。
ついでに向かいの飛鳥山にも足を伸ばしました。
明治通りには都電が今でも走っています。
そしてなぜかこの日はカメラを抱えた大勢の人でいっぱい。三脚を立てて構えている人もいます。
何かイベントでもあるのかなあ?と思いつつ、通りを渡り飛鳥山へ。
ここは徳川時代から続く公園で(小学校の郷土史で習いましたから)、桜の名所でもあります。
ここでもイベントがあって、(ちょうど抽選会をやっていて)一等の液晶テレビが当たったところでした。
ぶらぶらと木々の間を歩きながら、初めてみた「アスカルゴ」(飛鳥山とエスカルゴをかけてるんですね)に乗車。
明治通りに降りるとここもすごい人波。何でかな?と思っていたら、向こうから「花電車」がやってきました。(子供のころ近所の人たちと中仙道まで見に行ったのを思い出します)
思いもしなかったので人垣の間から撮った写真はこんなもんですが、このために皆さん集まっていたのですね。
帰ってから調べたら「都電開通100周年」の催しだったようです。
ふとした偶然で見に行った映画と子供時代の懐かしい場所、そしてもうひとつの偶然の出会い。
なにかうきうきする日曜日になりました。