2011年05月22日

bb
 PC君を送り出した翌日の4月30日、新宿の全労済ホールに「思い出のブライトンビーチ」を観に出かけました。20代のころはよく行っていた演劇もその後はトンとご無沙汰でしたが、今回は大好きなニール・サイモンの本ということで足を運びました。

 舞台は不況下の1930年代、ニューヨークはブルックリンのブライトンビーチというところ。ユダヤ系の人々が住む住宅地だ。ニールの自伝的脚本「BB三部作(ほかは”ビロクシー・ブルース”と”ブロードウェイ・バウンド”)」といわれる中での少年時代のストーリーです。

 ニールの分身ユージーンと両親に兄スタンリー、そして母親の妹ブランチとその娘2人が同居するジェローム家。そろそろ思春期にさしかかるユージーンの語りでストーリーは進んでいきます。

 グラブを手にヤンキースの選手になることが憧れのユージーン、でも作家になる夢もある。そしていとこのノーラへの恋心が混ざり合ってまだまだもやもやの気持ちのなか、家族のさまざまな出来事が語られていきます。兄スタンリーの職場でのイザコザや叔母ブランチの恋、父ジャックの戦争に対する気持ちなどいろいろなエピソードがつづられますが、一番は母ケートとその妹ブランチの間の葛藤。

 夫を亡くし仕方なく同居している病気がちなブランチと姉ケートとの心の動きが手に取るようにわかります。でも最後はやはり「お父さん」の出番。随所に笑わせてくれるところがでてきて、本当に引き込まれるファミリー・コメディでした。

 また、エンディングも秀逸です(大声で笑っちゃいました)。

 ニール・サイモンの作品はどれも人間愛というか、ヒューマニズムが溢れていて笑ったり、涙ぐんだり時にはほっとしたりするんですが、やっぱり生きていることは素晴らしいこと!って最後に気づかせてくれます。(特に今回はあの悲惨な出来事の後だったから余計でした)

 
 そして、生の役者さんの声もすばらしい。久しぶりに行ってよかったです。

 帰宅後、2冊あるニールの自叙伝を引っ張り出して拾い読みしました。そこでの両親のエピソードのひとつを最後に引用したいと思います。

 「ある晩。姉の家に遊びに行っていた母が11時頃帰宅した。ドアを開けると家中が真っ暗だった。父が家にいるのはわかっていたので、母は変だと思った。廊下の電球をつけたとたん、母は恐怖に悲鳴をあげた。床に男が倒れている。が、じっくり見つめたら、それは死体ではなくて、父の背広、ジャケット、ズボンが人の形なりに並べられ、足のところには靴、頭の部分には帽子がおかれていた。(・・中略・・)母のために付け加えるなら、彼女は怒らないで、ゲラゲラと笑いだし、ベッドにいた物言わぬ父の横に滑り込みながら、まだ笑っていた。」

 こんな家庭がニールを育んでいったのでしょうね。

 また、いろいろ演劇も見に行きたくなりました。

 新宿での公演はとっくに終わっていますが、まだ鎌倉や小金井などで上演されるみたいです。

 

 
 


mackkmackk55 at 12:25│コメント(0)トラックバック(0) │

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