2010年11月21日
1日目 まずは野口五郎まで (2010年8月10日 晴れ後雨)
高瀬ダム6:15-ブナ立尾根登山口(6:40)-10:55烏帽子小屋11:40-三ツ岳下(13:25)-15:20野口五郎小屋
予行演習から10日後、あっという間に本番がやってきた。この日は「ムーンライト信州」で信濃大町へ。車窓からは朝陽を浴びた餓鬼岳が見える、絶好の天気だ。
高瀬ダムから烏帽子小屋までは10日前に登っているので、まだ記憶に新しい。なので、きつい登りもわりとすらすら歩けた。前回満開だった尾根下の花々はだいぶ数が減っていて、短い時間でも季節が進んでいるのがわかる。
烏帽子小屋に着いたところで昼食。小屋のスタッフが顔を覚えていたらしく「あれっ?また来たの・・・」 「今日は五郎小屋まで行きまーす。」
時間はたっぷりあるのでのんびり休んでいたら、ぽつぽつと雨が落ちてきた。朝方あんなに天気がよかったのに....東沢方向からガスがどんどん上がってくる。
さてここからは初めての道。テン場を抜けてまずは三つ岳を目指す。(といってもピークは巻い
ていきます)
ひょうたん池(名前のとおりの形)を過ぎると小屋から見えていた小ピークを越える。この辺りから雨は本格化、雨具を羽織って前進再開。最初のうちは岩ゴロの尾根道だが少し行くと砂地の稜線となる。前回こちらから来た人がコマクサがきれいだよと教えてくれたあたり。もう終わっているかと思ったがまだまだ可憐なピンク色は健在だった。
その後はだんだんまわりも靄がかってきて風も出てきた。でも三つ岳の下のつらい登りの中で雷鳥に出逢う。
しばらく本格的な縦走をしていなかったから久しぶり。前に逢ったのは2年前の6月、アルペンルートに「観光旅行」で行った際だった(そのときはまだ白い羽でしたが)。
気がつくと前方から学生たちのパーティーが降りてくる。
「雷鳥、見た?」
って聴いたら
「もちろん、ファミリーで居ましたよ」
との返事。
そう、そのあたりでまた(写真には撮れませんでしたが)五羽くらいの雷鳥さんたちに出会いました。
しかし.....そこからは雨も激しくなりまた風も強くなりで、難行苦行の道行き。
その先でコースは「お花畑コース」と「展望コース」に分かれるのだが.........
なにもこんな天候で「展望」にいくことはないのに........
ついついそちらを選んでしまった!
ほとんど横殴りの雨、小屋はまだかと歩いていくうち..........上空では雷まで鳴り出す始末。
そういえば....以前黒部五郎に登ったときも雷にあったよなぁ
(五郎は岩ゴロの意味と聞いていたけど、雷のゴロもあるのか?)
あの時も今も隠れる場所などない。ずっと後ろについてきている単独行の青年もつかず離れずで頑張ってるし......。多分もう少しで着く!と思いつつ何とか前に歩を進める。
雨、風に加えて雷の中、なかなか小屋にたどり着けない気分は心細いものだ。(途中休憩時に一緒になった、後ろの青年も「まだですかねえ」と言っていた)
おそらく、実際の3倍くらいの体感時間だったろうか。何とか小屋の屋根が見えたときにはほっとした。
着いたのは3時過ぎ、夕食まではまだ間がある。
小屋の日本酒(大雪渓)をたしなみつつのんびりしていると、亀井静香みたいな眼鏡のオッサン(と、いってもこのオッサンと同じ年位か!)がウィスキー片手にやって来た。そういえばブナ立て登ってるときに抜きつ抜かれつでほぼ一緒に登ってきた方だった。
まあ、その後はその方の酒を雪渓の水で割りつついただきながら夕食まで山談義。明日は水晶から温泉沢経由で高天原へ行くと言う。
うーん、こちらもそれを考えていたのだが今日明日の天気からどうしようかと、思っていたところだった。
(その2に続く.........)