2009年12月15日
四国のドライブは快適とは言い難いが、断然楽しい。そこでは海岸線から少し内陸に入るとすぐに山間部を走ることになる。それも暗い谷の間だったり、深い森の中を抜ける峠があったり、また棚田が重なる山里だったりするから....。快適と言い難いのはそのような土地を走る道であるため、国道といえども狭い道が多くすれ違いに苦労するからだ。
沿道にぽつりぽつりと現れる集落は、都会からきた旅人には何か懐かしい感じを抱かせる。狭い陸地に剣呑な山々の並ぶ四国山脈が東西に伸びていて、そこからいくつかの河川が海に向かって流れている様が日本列島の縮図のようであるからとか、有名な八十八の札所の存在ゆえとか無理やりこじつけたような理由を考えたくなってしまう。
今回は四国一の標高を誇る石鎚山の南側にある「面河渓」を訪ねた。当初は赤石山系のどこかに登ろうかと思っていたのだが、11月も中旬になり日も短くなるし、寒さも厳しくなってくるので日和って観光旅行に切り替えたのだった。
松山から国道33号線を南下、砥部町を経て久万高原町に入っていく。久万町で左折して岩屋寺を通り、直瀬川に沿って進んでいくと面河川との合流点で突きあたる。今度はその面河川を遡上する道に入って石鎚スカイラインを右に見ると面河渓の入り口である。
そこにある面河山岳博物館に車を止めてまずは博物館を見学、地図と予備知識を入手した。
渓谷沿いの遊歩道を歩いていくと、清冽な流れが清々しい。思ったより観光客は少なくその点も好ましい。この辺で紅葉は盛りを少し過ぎたところ、ということはおそらく一週早ければ結構な人出だったに違いない。もっと上流ではもうほぼ散っているのだろうか。
のんびり15分ほど歩くと車道に出て、そこからしばらくはその道を行くしかない。その間、何台もの車が僕たちを追い越していく。何だ、みんな一番奥の駐車場に車を止めるのか。どうりでさっきの遊歩道が空いていた訳だ。
しばらく歩くと川の対岸に国民宿舎が見えてきた。かなり年季の入った建物だ。若かりし頃、いろんな場所でお世話になった公営国民宿舎を思い出す。周辺は浅瀬になっていて、「五色河原」と呼ばれている。ガイドブックによると水の青・苔の黒・岩の白・藻の緑・紅葉の赤の5つの色で彩られるところから名付けられたそうだ。道は国民宿舎の先で渓谷に沿って二手に分かれている。左俣の流れは鉄砲石川といって色々な岩や滝があって面白そうだが、今回は初めての訪問でもあり敬意を表して(?)面河川本流沿いの道を行くことにした。
ちょうどそのあたりで12時前になったので腹ごしらえにと、「渓泉亭」という食堂に入った。
アメゴの甘露煮がのっているという面河うどんの昼食。四国のうどんはどこで食べてもコシがあってよろしい。つゆは若干甘かったのだけれどね。
食堂を出てすぐに橋があり右岸へ渡る。徐々に勾配も出てくる道を辿っていった。最近山に行ってなかったので木々の香りが懐かしい。枯葉を踏みながらフィトンチッドを思い切り吸って歩いていく。第一キャンプ場を過ぎちょっと行くと紅葉河原というところがあった。ここでご婦人が二人、一人はスケッチ一人は写真を撮っている。僕らもそこで一休みだ。
水の流れは小気味よい。そこで僕たちも10分ほど休憩、のんび~りする。
どんどん歩いていくとまたキャンプ場があるが、まぁこの時期もちろん誰もいない。(ここには新しいバイオトイレがあって、帰りにお世話になった。)
その先には下熊渕・上熊渕という二つの渕があり、そこからすぐが石鎚山への登山口だ。この夏月山で会った山口県の方が、石鎚に登るのはこの道がいいと教えてくれたのだ。前に登った時にはお定まりの成就社からのコースだったので次回はこの道を辿ってみたい。
もう一度橋を渡ると、まだ道はつづいているものの通行止めになっている場所に到着。ここにあったのがこの「虎ヶ滝」。ここには東屋があって休憩できるようになっているが、地図に書いてあるWCはなかった。
帰りは展望台のあるコースを迂回して帰ったのだが、これは結構山登りに近いアルバイトを強いられる。それでも久しぶりの山歩きに気分は爽快、気持ちよくパノラマを眺めながら着いた先はさっきの国民宿舎の裏手だった。
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この記事へのコメント
これからも更新を楽しみにしていまーす。
でも「四国の旅その2」はいつアップできるのやら
ですが、なるべく早く書きマース。