2011年10月21日

  2日目 薬師岳(2926m)からスゴ乗越小屋まで (2011年8月22日 雨、一時曇り)  
 薬師岳山荘6:35-7:35薬師岳7:45-8:55北薬師岳9:00------11:00間山11:30-12:25スゴ乗越小屋


     この日はスゴ乗越小屋までの楽チン行程<その理由=①薬師のカールや黒部の廊下、昨年歩いた裏銀座の山並みを撮りたい ②素敵そうなスゴの小屋に1泊したい ③せっかくの長期休暇なので稜線でのんびりとしたい だったのだが・・・>なので、ゆっくり出発。五色ヶ原まで行く方達はもちろん、五郎や雲の平方面への人たちがみんな出発した後に小屋を出た。

20110822 (3) 昨夜の夜景はなんだったのか、外は相変わらずの雨。前回もここではガスの中で何にも見えなかったが、今年も同じだ。

20110822 (6) そんな中、ザレた道を一歩ずつ頂上目指して登っていっ20110822 (7)た。

 




 
  
   1時間ほどで到着した山頂には単独行の若者が一人いただけだった。
   晴れていれば360度の眺望で北アのほとんどの山や日本海が見えるというのだが、まったく何も見えない。
 でも、雨の中とはいえ今回の山行中の最高峰、少しだけ頂上気分を味わった。
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  ここから先は初めての道、祠の裏から北へ歩を進める。北薬師まではいくつかの小さなピークを越えていくのだが岩ゴロの道と雨のせいか歩みものろい。
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 二度ほどここが北薬師かと勘違いしながら、1時間以上かかって到着。
    ここでも周りはガス。
 行く手から僕と同年代くらいの女性が一人で登ってきた。

 「地図で想像してたより結構厳しい登りだった」 とのこと。
 岩場が苦手だという。
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 その言葉に気を引き締めて再出発。ここからは岩稜を下っていくのだが頂上直下で、もと来た方向に向かう巻き道(?)に入り込んでしまった。
   すぐに”なんかおかしい”と引き返したのだが岩場では方向にも注意が必要だと改めて感じた。


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      北薬師からどんどん下っていくとやがて岩は終わり、普通の登山道になる。雨は小降りになってきた。


     遠望はきかないが周りのガスは切れてきた。まったく出会う人もない静かな稜線を歩いていくのが楽しい。期待した展望には恵まれなかったが、もう終わりかけてはいてもけなげに咲く花々が歓迎してくれる。
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    しばらく行くと左に折れてザレた道を下る。その先は二重山稜になっていて風もなく歩きやすい道だ。
そのあたりでおそらく薬師峠のテン場から来たと思われる若いカップルをやり過ごす。
(その後も何度か彼らと遭遇。今回の山行の唯一の同行者だった)
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    まあ時間はたっぷりある。のんびり歩いていけばいい。
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 二
重山稜を過ぎると、傾斜はあるがどっしりとした感じの道になる。
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           一瞬
だけガスが切れて、上の廊下がほんの少し顔を出してくれた。20110822 (39)



 そんな風に雨が降ったり曇ったりの道行きを繰り返して少し登ったところが間山のピーク。
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          ちょうどそこで雨が上がったので昼飯にする。

20110822 (45)角点がある場所には小さなベンチもありちょうどいい。そばには小さな池もあった。20110822 (34)
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20110822 (49)  その後は怒涛の下り。ずんずん降りていくとやがて樹林帯に入る。
     
     この辺り、傾斜は急だがまだ咲き残っている花々が美しい。
        もうちょっと早い時期だったらもっと素晴らしかったに違いない。

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 いったん平坦地に出るとそこは湿地帯。ほとんど沢状の道を過ぎてまた森を下っていくと、不意にスゴの小屋が現れた。

 

  三脚立てて写真を撮ることもなかったので予定よりずいぶん早めに到着。20110822 (60)20110822 (58)

   小屋の前にある石に生えたコケも美しい。

  もう、午後はここでまったり過ごそう。


 
20110822 (61)20110822 (62)  HPで見たとおりのシンプルな山小屋。雨じゃなかったら前のテラスでのんびりするのもよさそうだが、雨脚は着いてからのほうが激しくなってきた。改装されてからまだそんなにたってないのか、新しい?きれいな食堂でビールを飲みながらのんびりする。(これぞ至福の時!)
 
  
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  小屋の方によると梅雨明けしてからずっとこんな天気だったそうで、
今年は登山客も少
なかったという。
  僕らだけが運がなかったということではなさそう。

 
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 ここでぼーっとしてたら西瓜の差し入れをいただいた。
 常連さん?が下から担いで持ってきたとのことで、これがめっぽううまかった。(ごちそうさまでした)

 この日はその後の通過者もなく、結局泊り客は僕らだけ?




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20110822 (70)20110822 (69)  噂どおりのおいしい夕飯(僕がこれまで泊った小屋の中では最高の部類・・・・おでんもおいしかったし、アザミのてんぷらが絶品だった)のあと、外はちょっとだけ雲が切れてきた。黒部川の向こうに重厚な赤牛岳の裾が見えてくる。昨年歩いた裏銀座の山並みもうっすらと顔を出してくれた。北には明日登ることになる越中沢岳がかかってこいとばかりに聳えている。

20110822 (73)20110822 (76)   光景を楽しんでいると、6時頃に一人の青年が到着。
 当初は五色に泊る予定だったのを、あまりに早く着いたのでここまで足を伸ばしたと言う。
 (それにしても、室堂からここまで一日で来るとは・・・!!)

 
20110822 (74)20110822 (75)  それからも雨は降ったりやんだりを繰り返していたが、黒部の先の山端に灯りが見えた。
「あの光は、もしかして烏帽子小屋?」
 と小屋の方に聞くと、
「そうです、向こうからも見えるそうですよ」

 との答え。

 20110822 (67)ずっと雨の中だったが、これが見えただけでもうれしい。

  (鏡平から見えた槍の小屋のことを思い出した)
 結局目的のうちはかなわなかったけど、は大満足。
  (他にお客さんがいなかったせいもあるとは思うがアットホームな雰囲気でくつろげた)
  そんなわけでこの日はこの小屋に宿泊者3人。
  静かな、静かな山の一夜となった。
                                (・・・・まだまだ続きます・・・・)

mackkmackk55 at 22:37│コメント(0)トラックバック(0) │

2011年10月07日

  1日目 とりあえず薬師岳山荘へ                 (2011年8月21日 雨)  
  折立8:35-10:10三角点10:15-11:05ベンチ(2010m地点)11:15-12:35太郎平小屋13:15-15:15薬師岳山荘


  翌朝目覚めて、まず見たのは外。
だが、無常にも窓から見える駐車場の地面を見ると激しい雨脚のよう。

20110821_050652_39 今日は6:10発の折立行きバスに乗る。(富山駅からの直行便はこの日が今年最後の運行日だった)

   20110821_070106_19駅の「源」(鱒寿司で有名ですね)売店で朝食用のおにぎりを購入しバスに乗り込む。このバスも以前の乗り合い用車両ではなく、観光バス仕様になっていた。おまけに今日はすいていて2席づつ座れる。荷物を隣に置いておけるので楽チンだ。

車内でおにぎり(結構いけた)を食べながら、また半分眠りつつ折立到着は予定通りの8:10ころ。


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    雨は弱くなったりまた激しくなったりの繰り返しだった。まあ今日は一日雨具が手放せないなと観念して登山開始。20110821_075648_082



    登山口には三八豪雪遭難の慰霊碑がある。夏とはいえ侮れない山、気を引き締めて歩き出した。
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最初からジグザグの登り道、しかも雨のせいで足元はすこ20110821_093554_47ぶる悪い。しかしここを登るのは3回目、気持ち的には先が見えて楽な登りだ。






20110821_094128_48   途中何度か小休止をとりながら最初の目安となる、三角点(1871m)に到着。
20110821_102118_52一服した後はまた樹林帯に入る。そこから先、勾配のきつい沢のような道を行くと突然開けた場所に20110821_094929_49出る。
森林限界を越してやっと高山らしい風景(といっても回りはガスに囲まれているが)、木道の道が続いている。

20110821_112744_37   景色を楽しむ代わりに夏の終わりの花々を愛でながら、ゆっくり太郎平を目指した。
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  もう少しで太郎の小屋かな、と思っていた時、上から5-6人の方達が凄い早足で降りてきた。
一人は背中に人を負ぶっている。
  「事故か!」
 と思って道をあけると背負われた人は両足に包帯を巻いていた。僕らP8210036が脇によけた場所で背負い手交代をしている。背負われていた人はとても大きな方で、これは大変だなあと思いつつまたしても自戒。安全登山に心がけます。

20110821_112436_53  これまでも何回かこういう現場に出会ったことがあるが、やはりその都度他人事では20110821_122141_55ないと思う。いくら注意をしてもアクシデントがあるのが山なのだ。

さて、気を引き締めてすべる木道を慎重に歩いて着いた太郎小屋。晴れていれば薬師はもちろん、昨年登った水晶も美しいのだが・・・・今日はまったく視界なし。20110821_100217_512

雨の中でストーブ、コッヘル出すのも面倒になり、小屋のラーメンで昼飯とした。
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  ここから薬師峠のテン場までは平坦な道のあとぐぐっと下る。だがその後の登りがきついのだ。
20110821_130508_61沢沿いの急な道を何度か簡単な渡渉を繰り返しながら再び尾根に取り付くまで、息を20110821_132838_65切らせながらの登りとなる。

そんなわけで途中ときどき小休止。折立から一緒で抜きつ抜かれつを繰り返していた、若者3人組もこちらに来ている。大きなザックを背負っていたのでてっきりテン場までかと思っていたので声をかけた。

 「どこまでいくのー?薬師にはテン場ないよ」
 「小屋までいきまーす」
 「えー、そんなでっかいザックだったからてっきりテン泊だと思ったよ」
 「いやぁ・・・・この中、お菓子がいっぱい詰まってるんで・・・」

最近の若者はおもしろい(こちらもそんなことを思う歳になったということか)。
彼らとはこの後も遭遇を繰り返しながらの道行きとなった。

20110821_134759_6720110821_134822_68   途中、ちょっとしたお花畑?で写真を撮っているご夫妻にも遭遇、奥方は花がお好きと見えて熱心にチングルマに向かっている、ご主人が ”ここの水おいしいよ” と教えてくれた。 この方たちも小屋では一緒だった。



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  そして辿り着いた、薬師岳山荘!
「おー!綺麗になったね」
と、思わず叫びたいくらい立派な山小屋に生まれ変わっていた。

 前に来たのはちょうどマー君vs祐ちゃんの高校野球決勝のときだったので、5年ぶり。
HPで見てはいたのだが、本当に木の香りがすがすがしい立派な小屋だ。
食堂も(以前は狭い談話室兼の食事場!で何回も交替の食事だった)広くゆったりしている。P821004420110821_150404_7620110821_150356_75









  新装なった小屋を観察しながらまずは到着の一杯だが、その前に一服もしたい。
で、外に出ると・・・・
なんか香ばしい匂い。玄関脇のテラス?でもう結構出来上がっているオジサンがいる!
 「これ飲まない?」
と、渡されたのは発泡酒だが、
 「いや、間違えて買っちゃってね。俺、プリン体ない奴じゃないとだめなんだよ」
 「はっ、はー。じゃあ・・・・」
  目の前に出されて、飛びつかないわけはない。
20110821_132728_62 「じゃあ、いただきまーす」
と、ご相伴にあずかることにした。

高岡にお住まいというこのお二人、一人は居酒屋をやっていてもうひとかたは市の公務員だという。
地元ということでもう何度もここには来たことがあるらしい。
いろいろお話はしたが、あまり長くもしゃべっていられない。
(なんせ、相方をほっぽっておりますから)
 「後でまた来ます」
と言って、その場を辞した。
 「だめだよ。これ、全部飲み干さなきゃ」
って言われながら・・・・。

で、食堂で待っていた相方とビールを飲んでからまた見参。
さすが居酒屋をやっているらしく、おいしいつまみが並んでいます。
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  ふぐの一夜干し、いわしのみりん漬け、果ては富山湾の蛸まで・・・・
さらには・・残ったふぐの骨を日本酒に入れて骨酒にしている!
  (こちらもおいしくいただきました)

そして当然話題は山のこと。
まだ剱には行ったことがないと言うと--
「ぜひ、早月尾根から登りなさい」と公務員氏。
「でも、やっぱり最初はタテバイ、ヨコバイ経験したいよねぇ」と居酒屋ご主人。
聴くところによると地元では「早月尾根往復日帰り山行」をするとんでもない人たちがいるらしい。
「ワシも若い頃やったけどね」
と、言われて絶句。P8210075
ほかにも栂海新道の話など、いろいろおもしろい話を聞かせてもらった。
(ただ、このオヤジさんたち後は飲みすぎか・・ちょいと問題ありでした)

さて、小屋の飯は豚カツがメイン。(これもうまかった)

夜には富山市内の夜景も見え、明日への期待に胸躍らせつつ就寝したオッサンであった。


mackkmackk55 at 21:17│コメント(0)トラックバック(0) | 

2011年09月29日

     この夏の縦走はまだ行ったことのない南アルプス南部、聖から赤石あるいは光などを考えていた。
ところが、7月の集中豪雨の影響で椹島までのバスが不通(実際は行く直前に開通したのだが)となってしまった。いろいろ悩んだ挙句、ダイヤモンドコースの未踏区間(薬師岳~五色が原)を歩いて、昨年行った裏銀座の山並みを眺めてみるのをお楽しみとすることにした。

    だいたい途切れた線があればつなげてみたくなるというのが人情というもので、乗り鉄屋さんがわずかな区間の乗り残しのために長い時間をかけて旅に出るのも頷ける気がする。

   そしてこのコースどちらから攻めてもいいのだがやはり最後に室堂平に降りる、折立から入ることにしようと決めた。

 これまで富山に行く時はほとんど急行「能登」(たまには「北陸」ね)を利用していたのだが定期列車は廃止となった。だが夏には季節列車として運行されるという。
しかしながらそれも新潟の豪雨のため運休になってしまった。
いろいろ悩んだ末、前日から高速バスで富山に行きビジネスホテルに1泊することにした。(夏休みということで時間的な余裕もあるし、宿泊代を含めても飛行機やJRで行くよりは安い!)

 というわけで8 月20日土曜、昼から高速バスの乗客となる。

      この日はちょうど大陸の高気圧が張り出し、暑い夏も一息つくという時節だった。だが、どうもまだ太平洋高気圧もがんばっているみたいだ。前線の真ん中に立つことだけは勘弁願いたいのだがこればっかりは文字通り運を天に任せるしかない。
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  バスは2号車ということで、バス会社のHPでは2号車以降はちょいと窮屈な車両になるとのことだったが1号車と同じ3列掛けのゆったりした車だった。
途中うとうとしながらもこれまでは運転しているばかりで見られなかった、関越道の車窓を楽しみながらちょいと一杯。



  日本海側に出るとちょっと雲行きが怪しくなってくる。
糸魚川を過ぎ親不知を越して、富山県に入るとかなりの雨だ。車窓左に見えるはずの山もまったく見えない。

20110820 (2)ところでこの辺のバスの停留所だが入善、魚津、黒部など各ICにある。
いちいち料金所まで下ってからまた戻るのは通過客にとってはわずらわしいが、いいアイディアだと思う。近くには駐車場もあってまさにパーク&ライド、道路上のバス停ではなくとっても使い勝手がよさそうだ。なるほど高速バスの人気が高まっている訳もわかる。(鉄の端くれとしては新幹線に頼らずとも何とかがんばってほしいものだが・・・←と言いつつあんた!バス乗ってんじゃん



     高速を降り、富山市内に入った頃には雨もだいぶおさまってくれていた。
以前大日三山の帰りに入った城南温泉の前を通過、駅に着いたのは定刻より少し早い19:45。
とりあえず今夜の宿「アパヴィラホテル」へチェックイン。

                                昨年12月オープンなのでまだ新しい。
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部屋は・・・・まあこんなもんでしょう。





     夜に富山に着いたんだから何かうまいものを食わなきゃいかん!?20110820 (12)

   のだが、さすがに翌日から山歩きの身、近くの店で簡単に。20110820 (11)
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                            (でも当然一杯やるのはお決まりごと)

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  さすがに日本酒は自粛したが、定番白えびのから揚げにコロッケ(これがうまかった)、富山といえば・・・の昆布締め、そして”たまたまあった”といわれたのがクエの卵(実はこれがお通し)。魚卵系は苦手なのだがさすがに新鮮なだけあって臭みやエグ味もなくうまい一品だった。

       .to be continued.........



mackkmackk55 at 22:02│コメント(2)トラックバック(0) | 

2011年09月25日

P8130093  芦安温泉岩園館 2011年8月13~14日 
 バスが出発してまもなく、夕立のような強い雨が降り始めた。

P8130094    ”あー、歩いているときじゃなくて良かったぁ”
と乗客の誰もが感じていたと思う。
自分がここで運転していたら(もちろんできないのだが)冷や冷やものだったろうという、凄い雨脚。
おまけにこちらは傘を持っていない。
運転手さんもそのあたりは気を利かせてくれたようで、途中無線で路線バスのターミナルに入る許可を取ってくれていた(ありがたい配慮ですね)。

もっと有難いことに、ちょうどバスが広河原に到着したときには小降りになっていた。
芦安の温泉で降りたいのだけれど と係りの人に聞いてみると
甲府行きのバスに乗って車掌に伝えろとのことだった。

ということで、甲府行きバスに乗車。
車掌さんはと見れば。なんと昨年乗った甲府までのバスでの車掌さんだった。
   (このかた、ちょいと天然ボケ・・あっ、いい意味ですよ・・っぽい)
相方は本当に旅館のそばで停まってくれるんだろうかと心配していた。
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(でも、ちゃんと今夜の宿「岩園館」バス停で停車してくれました。)

芦安温泉岩園館は御勅使川の前、県道を挟んだ自家源泉を持つ宿。
昨年は日帰りで「南アルプス温泉」に浸かったのだったが、今年はゆっくり温泉を堪能しようと予約をしていた。




  ところで、あの震災からしばらくはなんとなくぼーっとしていたのだがその後、「こういうときこそ消費して日本を元気にしなきゃ」と(前にも書いたと思うが)浪費を続けている。
その上、4月から給与も3分の1ほどカットされたのでまったく収支は合っていない。この半年でわずかだった蓄えも使い果たしている。
なのに、この旧盆という一番高い時期に温泉に一泊するなんて・・・なんとなく刹那的な気持ちが支配しているのか。もともとそんな性格だったのが加速されただけかもしれないが、まあ日本人はもっと楽観的な感覚を持つべきなのではないかと思う。(マスコミも将来について悲観的なことばかり書いているし・・・それが受けるのが国民性なのだろうが)
ギリシャやアメリカのように借金まみれで身の丈あまる浪費をするのはいかがとは思うが、まだまだ日本人は(財政は別として、一般的にだが)がんばれると思うのだが・・・・・・
と、これはお気楽能天気なオッサンの独り言と思って飛ばしてください(笑)

閑話休題。

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宿に着いてまずは温泉だ。内湯は結構広くて斜めジグザグの窓がおもしろい。
「長命の湯と言われ、昔は医者がいなくてこの湯で病気、けが等を治した長寿の名湯・・・」
と書かれている。
さっぱりした湯は程よい温度(42度くらいか)で、よく温まる。

「どこから来たの--?」
ここで先客に声をかけられた。
住んでいる場所や今日山に登ってきたことなどを話す。
「あー、このあたりの山はいいよねー」
この方、”総務部総務課”の今西課長似(わかる人だけわかってください)。
柏から、奥さんの郷里であるここにお盆で親戚が集まるということで来たのだそう。
「ウチのすぐ近くにレイソルのスタジアムがあってね、試合があるときはいつも賑やかで楽しいんだよ。
ゴールが決まるのも歓声でわかるしね」
失礼ながらお年を聞くと80歳とのこと。
昨年、あの世へ行ったオッサンのオヤジと同い年だ。
「えー!? お若いですねーー」
明日は石和の温泉に行くとのこと。
家のそばにスタジアムがあって普通ならうるさいと思うのだろうがそれを楽しみにしている、そんな姿勢がその若さを保っているのかな。

楽しみの夕食は広間で。
kaikoma (28)無論、山の幸中心の献立だったが、当然はずせないのは骨酒。
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                山を歩いてからのこの一杯は極上だ。

 
   ここには屋上露天風呂もある。
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   が、元の男湯は貸しきり湯になっていた。追加料金を払う気もないのでそれはパス。
   カミサンは女湯のほうに入ってきた。(湯浴みながらの山と川はすばらしかったらしい)

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それとは別に、大きな露天風呂もあり翌朝そいつを堪能。
周りの山や御勅使川の流れをながめながらのんびり浸からせてもらった。

宿を辞して甲府へのバスに乗る。
若い運転手氏に聞くと、このバス甲府駅を経由して湯村温泉を通るというので、(当初は昨年バスから見つけた「草津温泉」で最後の一浴をしようかと思っていたのだが)
まだ行ったことのなかった湯村へ行くことにした。

温泉入り口でバスを降り、温泉街へ向かって歩いていく。蒸し暑い。
すぐに目に付いたのが「湯村ホテル」。
確かここは掛け流しの湯があったはず、迷わずそこで入浴。


P8140151   もともと「志磨の湯」として自家源泉を持っていた宿だが今はビジネスホテル風FH000035の”B&B”になっている。
立ち寄り出来る湯はその2階、内湯のほかベランダ?に露天がある。
おもしろかったのは「電気風呂」。
昔は結構あったみたいだが、そのピリピリ来る感触はなんか身体によさそう。
そういえば、鹿児島の浴場にはよくあった。

ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(これは日本の温泉のスタンダードですね)
掛け流しの湯は新鮮ですこぶる気持ちがいい。

湯を出て自販機のオールド(さすが山梨)を氷で割って一杯やりながら、バスの時間までのんびり過ごしたオッサンであった。

◆芦安温泉 岩園館 (ナトリウム カルシウム 硫酸塩泉)
1泊2食 13000円 (お盆時期の料金)
山梨県中巨摩郡芦安村安通588
TEL:055-288-2005 

◆湯村ホテル (ナトリウム カルシウム 塩化物 硫酸塩泉)
入浴料 1200円 (ホームページの割引券提示で700円)
山梨県甲府市湯村3-3-11
TEL:055-254-1111



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2011年09月19日

              甲斐駒ヶ岳(2,970m) 2011年8月13日 晴のち曇
                    
  北沢峠06:50-08:33双子山08:45-09:30駒津峰09:40-10:10六方石10:18-11:15山頂11:50-12:30六方石12:38-13:00駒津峰13:10-仙水峠(14:08)-15:10北沢峠

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 今回も戸台口までは毎日新聞旅行のバス、ちょうど1年前仙丈ヶ岳に登った時と同じルートで北沢峠へ到着。

kaikoma (2) 今年は昨年とは反対側の甲斐駒への途を行く。
 支度を整えて、歩きだしたのは7時少し前。北沢峠の銘板の脇を入る、いきなりの急登から始まった。

 木立の中なので涼しいのが救いだが、単調な道の容赦ない登りが続く。そうでなくてもきつい登り始め、まだ覚醒していない頭と体にはこたえる。
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kaikoma (4) 50分ほど登り、南の木立の間から仙丈ヶ岳が見えてきたあたりで小休止。

                kaikoma (5)どこの山でもそうだが、自分が登った山を眺められるのは嬉しいものだ。少し左手には北岳の姿もうっすら見える。(後でわかったのだがこの日、3週間前白馬を共にしたT君はその、この国で二番目の高みに向かっていたのだった。偶然とはいえ、すぐそこにいたとは・・・・)


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    そこからまた30分ほど、森林限界を超えるとほどなく最初のピーク「双児山(2,643m)」だ。
 ガイドブックなどによると眺望は望めないような記述になっていたが、どっこい結構いい眺め。
FH000002 これから向かう甲斐駒の雄姿も見える。振り返れば先ほどからの仙丈もでーんと座っている。
 ここでは、10人ほどの登山者が休憩中。こちらもちょっとのんびり一服した。
kaikoma (11)
 とはいってもそうそうゆっくりもしていられない。なんせ北沢峠15:30発というバスのタイムリミットがあるのだ。

  やっと眺望を楽しんだ双子山だがここからもう一度下りにかかる。だれでも思うことだが、せっかく登ったのにまた降りるなんて・・・・だが、こればかりは仕方がない。(まあ、山では普通のことですよね)

 また樹林帯に入りしばらく歩くと視界が開けた。で、目の前にでーんときつそうな登りが.....

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kaikoma (13)kaikoma (14)
 





                  しかし、このあたりの景色は高地らしくて素晴らしい。
        ときどき後ろを振り返りながらゆっくりと登っていく。

 登りきると、そこは駒津峰(2,752m)。FH000004
 ここまで来ると目指す甲斐駒は大きい。右に摩利支天を従えた堂々たる山容が登頂意欲をそそる。
 東にはアサヨ峰がその特徴的な姿を見せている。首を回せばもちろん、仙丈も。
 快晴というわけにはいかず遠くの山々はうっすらと見えていただけ(なのでお花の姿をどうぞ)だったが、それでも360度の眺めは見ていて飽きない。
kaikoma (16)kaikoma (17)
 素晴らしい眺めを楽しんだ後は・・・・・
 また、激しく下ります。
 (仙丈ヶ岳より少しだけ標高は低い甲斐駒だが、コースタイムが長いのはこのアップダウンのせいだろう)

 で、下りきったところが「六方石」。
 大きな岩の下がテラス状になっていて思わずまたまた一服つけたオッサンであった。
 
 その先でルートは2つに分かれる。
 目前の岩をよじ登っていく道(直登コース)と右に巻いて登っていくルートだ。
 もちろん、迷わず「直登」へ挑戦。
kaikoma (18)kaikoma (19) 
 最初のうち、手掛かりが見つけにくい岩がいくつかあるがしばらくするとごく普通の岩の登りとなる。
 切り立った岩の上を行くわけでもないので、それほど高度感はない。
 (実は、オッサン山ヤのくせに「高度恐怖症」←でも、結構こういう人います)
FH000005
            しかしここら辺りから天気があやしくなってきた。西方からガスが迫ってきて視界が悪くなる。といってもコース取りに迷うほどではない。ただ、山頂はすでにガスの中。目標が見えないのでとっても長く感じるのだが、腕時計の高度を励みに一歩一歩登っていく。

                 だんだん白砂が増えてきて、なんとなくもう近いかなと思ったら不意に頂上に出た。
kaikoma (20)

 山頂は意外と広い。そこに大きな岩があり、そこが本当の最高点か?FH000010
 そこに登っている人もいるが、オッサンはここで十分。
 FH000006祠にはわらじがいくつもつるされていた。
 ただ、天気は相変わらず。360度ほとんど真っ白で何も見えない。

 FH000007昼食をとり、しばらく待ってみたがあきらめて下山開始。
 山頂直下に雷鳥のカップルがいるとの話も耳にしたのだが、残念ながらお目にかかることは出来なかった。
 (でも、ここまでの道で見た景観だけでも満足だ)

FH000008






           下りは巻き道へ。
 どっこいこいつが実に歩きにくい砂の道。
 標識はしっかりしているので道迷いの恐れはないが、本当にざらざらの白砂だ。
 (こうkaikoma (21)いう場所ではストックがあったほうがいいのかな)

 摩kaikoma (22)利支天を間近に見れる場所でちょっと一休み。
 そのあと右に大きくカーブして下っていく。
 kaikoma (23)







  ちょっとした樹林帯に入り、再び登り返すと先ほどの分岐点に出た。
            (思えば、この巻き道登るほうが大変かも・・・・)

 そこからは一度来た道。またまた駒津峰への登り返しだ。
 (これがこの日一番きつく感じた)

 駒津峰からは行きとは違う道、仙水峠経由の道を選ぶ。
 時間が迫っているので本当は直接下るほうが早いのだが、あの登り返しが嫌だったのだ。
kaikoma (24)
kaikoma (25) で、ここからは一気に仙水峠へずんずん下っていく。
 途中一瞬だけ頂上がその姿を見せてくれたのは嬉しかったが、とにかく時間がないのでさっさと降りて行くだけ。
 
 仙水峠からは緩やかな谷沿いの道。峠からしばらくは大きな岩の上を歩いて行くが、やがて樹林帯に入る。
 
 仙水小屋も満員の様子で、小屋前のテーブルでは大勢の人がくつろいでいた。(うーむ、うらやましい)
 kaikoma (26)宿泊者以外立ち入り禁止のロープには興ざめだが、こじんまりとしていい小屋だ。
 小屋前の水がおいしかった。

 ただ、ここからが意外と長かった。沢沿いの道は行けども行けども同じような様子が続くだけ。
 いい加減にしてくれ~!
 と思ったとき、目の前に駒仙小屋が現れた。(だいたいこんなものですね)

 ここでカミサンだ、小屋の前の自販機でビールを買っている。
 「バス停着いたら飲む」のだと!
 なんとも用意周到。(といってもオッサンもご相伴にあずかったのだが)

 結局、バス停についたのは最終20分前。
 臨時のバスが出るところだったが、ビールを飲みながら最後のバスを待って広河原へ向かうバスに乗るオッサンであった。
                                  ・・・・「その2」へ続く・・・・

mackkmackk55 at 07:44│コメント(0)トラックバック(0) |